宍戸錠「絶対に泥棒だ」自宅全焼に激怒

 東京都世田谷区上祖師谷の自宅が全焼する火事に見舞われた俳優・宍戸錠(79)が火災から一夜明けた5日、本紙の直撃取材に応じ「泥棒(の犯行)だよ。絶対につかまえてやる!」と顔を真っ赤にして訴えた。この日、事務所関係者らとともに、7時間にも及ぶ実況見分に立ち会った宍戸は「先月ぐらいから、敷地内に人が立ち入った形跡があった」と明かした。警視庁成城署では現在のところ「原因不明」としているが、放火による火災と信じて疑わない様子だった。

 46年間住み続けた、思い出の詰まった151・5坪のわが家を失った宍戸は、火災の原因を「放火」と断定した。「絶対に泥棒だと思ってる。狙っているに違いないと思ってた」と顔を真っ赤にしてまくし立てた。

 異変に気が付いたのは今年1月。寝ている時に敷地内で人の気配、足音などが聞こえたという。「(火災の)前日にも不審な気配があった。大きな懐中電灯と木刀を用意して備えていた」と振り返った。防犯設備を設置していなかったことから、比較的簡単に侵入できる状態だったという。

 宍戸は2010年4月に妻を亡くして以降、1人暮らしだった。11年夏には、番犬のシェパード「サダム・フセイン子」が死去。以降、安全上の理由から台所で寝るようになったという。マネジャーで娘の小島しえさん(49)によると、火災のあった4日は昼過ぎに家を出発。火の元と戸締まりは指さしで確認して外出したという。

 この日、実況見分に立ち入った宍戸は午前9時半ごろ、門扉をくぐった。前夜は都内のホテルで一夜を明かし「ほとんど寝ていない」(小島さん)と疲れた様子だったといい、女性警察官から背中をポンポンとたたかれ、励まされるひと幕もあった。検分では、オイルをまかれた形跡やドアをこじ開けた跡などはなかったという。

 建築家の鈴木恂早大名誉教授が設計した自慢の自宅は、壁がはがれ落ちコンクリートの型枠だけが残った状態。衣装や資料などほとんどが焼失し、水がかかった状態のアルバムの一部を持ち帰った。家を建て替えるかどうかは、「まだ決めていない」(小島さん)という。家を焼失し怒りに燃える宍戸は「絶対に捕まえたいな」と力強く締めくくった。

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