自宅全焼の宍戸錠、ほっぺたも燃えた

 俳優・宍戸錠(79)が8日、都内で会見し、4日に東京都世田谷区上祖師谷の自宅が全焼した火事の後に、日活時代の後輩だった女優・吉永小百合(67)から激励の手紙と現金をもらったことを告白した。

 宍戸は「(手紙は)一生抱いてるよ」と仲間の友情に熱く感謝した。また、01年に除去し、自宅に保管していたほほの詰め物(オルガノーゲン)が焼失していたことも明かした。

 家屋、家財道具や衣類、思い出の品々も燃えた。“エースのジョー”のトレードマークでもあった丸いほほは、取り除いてから瓶詰めにして保管していたが、これも焼失した。「あれは焼けてるな」と達観していたものの、さみしさはありあり。ただ、友情はしっかりと残っていた。

 宍戸は出火した4日夜、都内で「橋本文雄さんを偲(しの)ぶ会」に出席していた。橋本さんは昨年11月に死去した元日活の録音技師で、会場には吉永や渡哲也(71)ら日活に所属していた仲間も駆けつけていた。

 そこに火事のニュースが飛び込んできたため、仲間たちも心配していたという。吉永からは後になって「気を落とさないで頑張って。錠さんなら大丈夫でしょうけど」と書かれた激励の手紙をもらった。宍戸は「けっこうね…紙幣も入ってました。(手紙は)一生抱いてるよ」と、丁寧な気遣いに感謝。ほかにもお見舞いをもらったが「みんなキャッシュでくれるんですよね」と笑わせた。

 5日に実況見分を終えたときは「泥棒(の放火)だよ。絶対に捕まえてやる」と息巻いていたが、この日は冷静になりトーンダウンした。警視庁成城警察署の公式見解は「原因不明の出火」。40人ほどの捜査員が懸命に調べている姿を目の当たりにしており「それでいいよ」と納得した。

 ただ、現在なら1000万円はするというスイスの超高級腕時計「ヴァシュロン・コンスタンタン」やアルマーニの皮のコート、夫人の宝石類などが跡形もなくなっていることには、まだ不審に思う部分もあるという。

 火事の後はホテル暮らしを続けており、今後は家を建て直すつもりはない。隣家に延焼した部分については、火災保険でやりくりできる見通しだという。

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