先発転向の広島・栗林 来季の誓いはバント成功率100% 打席でも“失敗しない男”に
来季から先発に転向する広島・栗林良吏投手(29)が13日、打撃での目標にバント成功率10割を掲げた。プロに入って打席に立ったことがない右腕は自身のプロ初安打よりも、自己犠牲の姿勢を重視した。廿日市市の「ボートレース宮島」で行われたイベントに堂林翔太内野手(34)と参加し、攻撃で“失敗しない男”襲名を目指すことを誓った。
新たに課せられるミッションの遂行が、白星を引き寄せる。来季から先発に転向する栗林は、打撃面での目標を定めた。「(ヒットは)1本も打てなくてもいいです。送りバントの成功率が10割なら、そっちの方がいいかなと思うので」と個人成績よりもチームへの貢献を誓った。
バットを握れば快音を響かせたいと思うのが自然な発想。だが栗林の考えは「ヒットを10本打って送りバントを10回失敗するぐらいなら、ヒット0本で送りバントを10回成功した方がいい」という正反対のものだった。1年目の21年は53試合の登板で37セーブ。セーブ機会で一度も失敗がなく新人王に輝いた。先発転向1年目の来季は、攻撃で“失敗しない男”を目指していく。
投手が犠打を決めれば得点の確率が高まり、チームや自身を助けることになる。「しっかりやらないと、自分やチームの勝ち負けに直結するので。やらなきゃいけないことは、しっかり覚えたい」と自覚を強めた。
入団以降、通算271試合に登板。リリーフ一筋だったため、まだ打席に立ったことがない。27年シーズンからはセ・リーグもDH制が導入されるため、投手が打席に入るのは来季が最後。「投手の球を初めて打席で見られる。そういう意味では楽しみ。変化球だけではなく真っすぐの軌道も含め、見て勉強になることもあると思う」と打席内で体感したことを本業にも生かしていく。
中学時代は遊撃手。愛知黎明での高校時代は「当てるのが得意で三振が少ないタイプでした」と明かす。来季に備え、今月上旬には契約するSSK社にバットを発注。西武・中村祐太が使用するバットと、元中日・平田良介のモデルの2本をオーダーした。「祐太さんの(形状)が握りやすく形が良かった。平田さんの(モデル)は大学の時に使わせてもらっていたので、その縁もあって」。臨戦態勢は着々と整いつつある。
この日は先輩の堂林と「ボートレース宮島」のイベントに参加。トークショーでは約450人のファンを盛り上げて、野球教室では子どもたちと交流した。「まずは先発の枠を勝ち取らないといけないので」と本業のレベルアップにも目を向けた。マウンドでも打席でも全力を尽くし、チームに勝利を呼び込む。





