広島・佐々木 「打つべき甘いボールを」見極め待望プロ1号だ 自己最長タイ7戦連続安打中「ボールが見えすぎている」
広島・佐々木泰内野手(22)が16日、プロ初本塁打へのポイントを明かした。現在、自己最長タイの7試合連続安打中も、9月の長打は二塁打1本。自慢の長打力を見せるためには、打つべきボールを見極める“取捨選択”がカギを握ると自己分析した。残り11試合。若き“泰砲”がプロ初アーチをかける。
鯉党が待ち望むその瞬間は確実に近づいている。豪快なスイングから放たれた打球がスタンドへ-。残り11試合。シーズン最終盤で、佐々木が初アーチに照準を合わせている。
「良い結果を出せるように、一打席一打席無駄にしないようにやっていきたいです」
15日・ヤクルト戦では9月初のベンチスタートも、六回に代打で登場。松本健から自己最長に並ぶ7試合連続安打となる右前打を放ち、状態の良さを示した。「安打は出ていますし、調子自体は悪くない」と手応えを口にする一方、課題も感じている。
9月はここまで打率・310と好調を維持。ただ、長打は2日・DeNA戦で坂本から放った適時二塁打の1本のみ。コンスタントに単打は出ているが、自慢の長打力は影を潜めている。
積極的なスイングが持ち味で、若いカウントから仕掛けることも多く、際どいボールにも手を出してしまう場面が目立つ。「ボールが見えすぎているというか、全部打てそうな気がして、つい手が出てしまう」と分析。15日に放った右前打も、1ボールから外角低めのボールに軽く合わせたようにスイング。「ヒットにはなったんですけど、納得はしてません」と首をかしげる。
それでも、着実な成長の裏には日々の努力がある。試合前の早出ロングティーや、試合後の打ち込みといった地道な練習を継続しており、「今は、これまでで一番良い待ち方ができている」と実感。「何でも手を出してしまっているところを何とか我慢して、打つべき甘いボールをスイングできるように」と、ボールを選ぶ“取捨選択”の意識が初本塁打へのカギを握るとした。
17、18日の阪神戦では村上、大竹との対戦が予想される。いずれも今季すでに対戦済みの相手だけに「駆け引きしていきたい」と冷静に構えた。
ルーキーがプロ初本塁打を放てば、球団では22年の末包以来3年ぶり。鯉の未来を担う男が、大観衆の前で放つ放物線に期待が高まる。積み重ねてきた準備と経験が、最高の形で実を結ぶ日はすぐそこまで来ている。





