広島“奨ファビ”コンビで3連勝 中村奨が先制2点適時打→ファビアン16号2ラン 逆転CS「諦めていません」
「広島5-0中日」(13日、マツダスタジアム)
“奨ファビ”コンビで大逆襲だ!!広島は投打がかみ合い3連勝。つかみかけている男・1番の中村奨成外野手(26)が先制の2点適時打を放つと、2番のサンドロ・ファビアン外野手(27)が16号2ランで中押しした。好調な1、2番が旗手となって、“天敵”中日・高橋宏を攻略。3位・DeNAとは5ゲーム差があるが、逆転でのCS進出へ最後まで諦めない戦いは続いていく。
お立ち台に立った中村奨はチームを代表して言葉に力を込めた。「残り試合は少ないけど選手は誰一人諦めていません」。スタンドからは歓声と拍手が雨粒とともに降り注いだ。もう勝ち続けるしかない。約3カ月ぶりの本拠地デーゲームで勝利し、ファンと選手が逆転CSへの思いを1つにした。
打線をけん引する1、2番コンビが高橋宏斗を攻略した。リードオフマンの中村奨は三回1死二、三塁で右前への先制適時打。「(高橋宏は)真っすぐが良いので。真っすぐをはじき返したいと思って打席に入った」。外角高めの154キロにスイングを仕掛けると、打球は一、二塁間を抜けていき、2点が入った。
さらに五回には2死から中村奨が四球で出塁。そして次打者・ファビアンが左中間席へ2ランを放った。変化球に狙いを定めていた中でカーブを捉え、感触は「カンペキ!」。確信歩きをした後、ホームを踏むと中村奨と熱い腕でタッチを交わし、今季4戦4敗だった右腕に雪辱を果たした。
8月から2人の1、2番は定着し、9月はここまで11試合中10試合でコンビを形成している。ファビアンが「奨成とファビのコンビはすごい良いコンビだと思う」と自画自賛すれば、中村奨も「(自分が塁に)出ればファビ、コゾが打ってくれるし、打てなくても、2番、3番と良いバッターがいる。決めにいこうじゃなくて、後ろにつなげれば良いという思いになれる」と小園も含めた後続に全幅の信頼。好調な打者が後ろに控えていることも打席内での余裕につながっている。
新井監督は直近3戦で2度目の決勝点をたたき出した中村奨のことを「ちょっとアリスになってきている」と表現。報道陣が首をかしげると「知らないの?つかみか~けた~♪って。まだつかみかけている段階だから。精進して練習してもらいたい」とフォークグループ・アリスの代表曲『チャンピオン』になぞらえて、ハッパをかけた。
チームは21年以来4年ぶりの中日戦勝ち越しを決め、3連勝となった。CS進出へ、中村奨は「チームに勢いを持ってこられるように」と気合を入れ、ファビアンは「可能性はゼロではないので頑張らないといけない」と強調。一度はKO寸前まで追い込まれた鯉が再び立ち上がった。失うものはない。CS進出へ逆襲のゴングは鳴っている。




