広島 森下6回2失点も守乱に援護もなく8戦8連敗の13敗目 組み替え打線が沈黙17度目の完封負け
「中日2-0広島」(9日、バンテリンドーム)
広島がリーグワーストに並ぶ17度目の完封負けを喫し、1日で5位に転落した。新井貴浩監督(48)はこの日、ファビアンと末包をベンチスタートにして打順を組み替えるも、結果は好転せず先発・森下を援護できなかった。右腕は6回2失点(自責点1)と粘るも、球団日本人投手では前田健太以来の13敗目。球団ワーストの8戦8連敗となってしまった。
難敵相手に手も足も出なかったわけではない。だからこそ、もどかしさが増幅した。2点を追う九回2死三塁。一発出れば同点の局面でモンテロに打席が巡るも、空振り三振に終わった。打線が沈黙して惜敗。新井監督は「相手の球威に押されたという感じかな」と潔く受け止めた。
好投手とのマッチアップを前に、ベンチは一つの策を施した。チーム唯一の全試合出場を続けていたファビアンと、8戦連続で4番に座っていた末包がベンチスタート。指揮官は「ファビも出ずっぱりだった。9連戦ということなので、きょうは(試合の)後からということにしました」と説明した。今季初めて坂倉が4番に入り、1~5番は全員左打者を並べるも六回まで2安打。150キロ台を計測する高橋宏の速球に手を焼いた。
最大の好機は2点ビハインドの七回だ。1死から連打と四球で満塁の好機が到来した。だが矢野が一ゴロに倒れ、代打・小園が二ゴロ。青い人波が歓喜に包まれる中、重苦しい空気が充満した。
打順組み替えに新井監督は「左を使おうと思ったわけじゃない。相手もいい投手。オーソドックスにいっても厳しいので、ちょっと動きを出していきたいなと思ってああいう打順にした」と狙いを語った。1、2番は大盛、羽月の俊足コンビ。コンタクト率に秀でた野間を3番に据えたが、本塁が遠かった。これで高橋宏には昨季から8戦勝ちなしの6連敗。引き立て役に回り続け、森下を援護できなかった。
その森下には不運もあった。初回2死一、二塁でボスラーが飛球を打ち上げた。捕邪飛と思われたが、坂倉がまさかの落球。ピンチは続き、4球目を先制の左前適時打とされた。五回は再びボスラーに適時打を浴び、6回2失点(自責点1)で降板。粘りの投球も女神は振り向かず、球団日本人投手では09年・前田健太以来16年ぶりの13敗目を喫した。同時に球団ワーストの8戦8連敗。不名誉な記録が重なった。
今季、初の開幕投手を務めるも6月13日を最後に白星がない。打線の援護にも恵まれなかったが、「スタートからああいう形にしてしまったので。(高橋)宏斗も良かっただけに、何とか自分がゼロで抑えていけたら良かったんですけど」と責任を背負った。トンネルの先に光があると信じ、次の登板で悪循環に終止符を打つ。
◆森下が8連敗 森下が6回2失点(自責点1)と奮投するも打線の援護がなく13敗目を喫した。これで6月13日・日本ハム戦(エスコン)で挙げた5勝目を最後に8戦8連敗。球団で1シーズン8連敗は1998年の高橋建以来、27年ぶり。高橋は19試合に登板しての連敗で、8戦連続での8連敗は初めて。さらに13敗以上は14敗した12年のバリントン以来。日本選手では同じく14敗した09年の前田健太以来となる。





