完封負け10度目の広島 深刻“左腕アレルギー” 新井監督は早川に脱帽も朝山打撃コーチ「ウチは左に弱い」
「広島0-4楽天」(20日、マツダスタジアム)
広島が今季10度目の完封負けで5月3日以来の借金生活に突入。巨人と入れ替わって4位に転落した。打線は7安打を放ち、得点圏に再三走者を置いたが、拙攻を重ねて本塁が遠かった。新井貴浩監督(48)は八回途中無失点に封じられた相手先発・早川をたたえるしかなかった。
同じような敗戦を繰り返すうちに勝率5割の防波堤は決壊した。ヒットは飛び出し、好機も演出できているのに、あと1本が生まれない。もどかしさ募る黒星で2連敗となり、ついに借金1。新井監督は最後の打者となった代打・野間が打ち取られると、険しい表情でベンチを立った。
試合後の取材対応では相手先発・早川に脱帽し、“白旗”をあげるしかなかった。「相手が良かったね。走者を背負ってから、よりいいところに投げられていたなという印象です」。打線は初回に小園が左前打を放ち、2死二塁の好機を迎えるもモンテロが空振り三振。二回も坂倉の右前打から2死三塁までこぎ着けるも矢野が三邪飛に打ち取られた。序盤に逸機が続くと四回に先発・森下が先制を許して試合の主導権を渡してしまった。
結局、早川には八回途中無失点でまとめられ、7登板ぶりの白星を献上。左腕には昨年の対戦でも10回無失点で封じ込められており、2年連続で攻略できずに終わった。
“早川アレルギー”が深刻と言いたいところだが、朝山打撃コーチは“左投手アレルギー”が深刻と見る。「早川というか、ウチは左(投手)に弱い。右バッターの抜き球、落ち球の対応能力というところ」。この日もファビアンとモンテロは序盤に2打席連続三振。末包も四回にどん詰まりの中前打を放ったが、直球とチェンジアップの緩急に苦しめられた印象は拭えなかった。
6月だけでも阪神・伊原、オリックス・田嶋、ロッテ・サモンズ、日本ハム・細野、ソフトバンク・大関といった左腕勢に白星を与えているのが現状。同コーチは左投手の落ち球を右打者は「もうちょっと狙っていかないといけない」と打開策に頭を悩ませた。
これでチームは今季10度目の完封負け。6月は2度にわたって勝率5割となった後に勝利して貯金生活へと戻していたが、3度目にして、ついに借金生活に転落してしまった。ファビアン、モンテロ、末包といった右打者がポイントゲッターに想定されている今のカープ打線。左投手の苦手を克服しない限り、上位浮上への道筋は見えてこない。




