広島・ドラ2佐藤柳「空振りが取れない」 開幕ローテ争い食い込むも2軍でプロのレベル痛感 課題は右打者への投球
広島のドラフト2位・佐藤柳之介投手(22)=富士大=がプロの高い壁にぶつかりながら、もがいている。ここまでウエスタン・リーグでは6試合に登板し、1勝1敗、防御率4・22。救援陣の一角として好投を続ける同3位・岡本(甲南大)の活躍を刺激にして、1軍のマウンドを目指していく。
クレバーな左腕らしく、現状を冷静に分析した。プロのレベルの高さを痛感する日々。1年目のここまでを振り返り、「自分の目指している結果にはなっていないので、悔しいなって思いは強いです」と率直な思いを口にした。
右手を高々と挙げる独特なフォームが武器の左腕。春季キャンプではアピールに成功し、最後まで開幕ローテ争いに食い込んだ。ウエスタンでは基本的に中6日でローテを回っており、ここまで6試合に登板。3日・阪神戦(由宇)では“プロ初勝利”を手にするなど、1勝1敗、防御率4・22の成績を残している。
シーズンが始まって約1カ月半。まず驚いたというのが、打者陣のレベルの高さ。「ボール一つ分中に入るだけで、簡単に外野まで運ばれる」と少しの制球ミスが命取りになることを痛感した。また、学生時代は軸となっていた直球についても、「ファウルは打たせられる時はあるんですけど、空振りが取れない」とカウント負けすることが多くなっている。
特に課題としているのが、対右打者への投球。外角への曲がり球で勝負できる左打者に比べて、右打者へは投げる球種が限られており、的を絞られやすくなっていることを問題点に挙げ「右でも左でもできるだけ球種の割合を変えないように」と理想を掲げる。
試合では「あまり得意ではない」と話すチェンジアップなどの下方向への変化球を、ボール先行のカウントからあえて投げるなど、投球の幅を広げようと試行錯誤を続けている。
浮かび上がってきた課題について、「全て急に良くなることはないと思う」と足元を見つめる。現在は実戦のマウンドから離れ、コーチ陣とより多くのコミュニケーションを取り、課題を見つめ直している段階。「まずは直球の質。フォームであったり体の使い方であったり、一つずつ改善していきたいです」と先を見据える。
原動力になっているのは、同期の躍動だ。ドラフト3位・岡本が1軍のブルペン陣の一角として奮闘中。今でも連絡を取っており、休みの日は2人でショッピングに出かけるほどの間柄だ。そんな右腕の活躍を「すごいなって思って見てます」と実力を認めた上で、「ライバルでもあるので、負けてられない」と対抗心も忘れない。「2人で活躍するためには、僕が上(1軍)に上がらないといけない。待っとけよという感じです」。全ての経験を糧に、1軍のマウンドを目指していく。
◆佐藤柳之介(さとう・りゅうのすけ)2002年11月1日生まれ、22歳。宮城県出身。179センチ、87キロ。左投げ左打ち。投手。東陵高、富士大を経て、24年度ドラフトで広島から2位指名。大学4年秋の北東北リーグで2度目の最優秀投手となり、リーグ優勝に貢献しMVPも受賞。最速148キロの直球は回転数が多くキレがいい。変化球も多彩。





