広島 阪神止めて4年ぶり70勝 V打の松山は阪神戦打率・391、7打点「前に飛ばせば何か起きる」

 「広島東洋カープ6-5阪神タイガース」(15日、マツダスタジアム)

 広島が逆転勝ちで4年ぶりのシーズン70勝に到達した。同点の八回に代打・松山竜平外野手(37)が勝ち越し適時打を放ち、これが決勝打になった。前日14日にリーグ優勝を決めた阪神に対して、チーム全員で意地の白星をつかんだ。2018年以来のシーズン勝ち越しも決定。一戦必勝で2位の座を死守していく。

 寄せられた期待は決して裏切らない。打球が外野へ抜けると同時に、松山はガッツポーズしながら一塁へ駆け出した。しびれる場面で快音を響かせ、スタンドをこの日一番の熱気に包み込む。「何とか前に飛ばせば何か起きる、と」。チャンピオンチームからもぎ取った白星はベテランが一打が呼び込んだ。

 同点の八回1死二塁の好機に代打で登場。加治屋と対峙(たいじ)し、4球目の暴投で1死三塁と押せ押せムードになった。だが、本人の心境は違っていた。「(走者が)三塁に行った時の方が緊張した。ランナー二塁なら『アウトでもしょうがない』ぐらいで入れる。ランナー三塁は『絶対に1点取らないと』となるので」

 そんな重圧もはねのけられるのが松山のすごさ。踏んできた場数が違う。カウント2-2からの6球目をバットに当てると、打球は高いバウンドで前進守備の二塁・中野の横を抜けた。これで今季、阪神戦の打率は・391、7打点。CSでの戦いに向けても、心強いデータがそろった。

 有言実行の決勝打にもなった。同点の七回、ベンチで堂林から「延長(戦)はしたくないです」と遠回しに“依頼”を受けた。「いいところで回ってきたら決めたるわ」と返答し、見事に殊勲打。「一番喜んでくれた(笑)」と満面の笑みで振り返った。チームは14日、3時間50分に及んだ試合を制し、この日は神宮から当日移動でナイターに臨んだ。シーズン最終盤で疲労も蓄積する中、九回までに勝負を決めた。

 後輩たちの奮闘にも刺激をもらう。1軍には現在、大盛、曽根、田村が帯同。3人とも、年明けに鹿児島県内で合同自主トレを行う間柄だ。特に2年目の田村は素質の片りんを示しており「頼もしさしかない」と称賛。自分自身も「まだ負けられない」と向上心をかき立てられている。

 勝利の立役者に新井監督も「松山さんはいつも頼もしいですよ」と最敬礼。前日に優勝の可能性は消えたが、CSで阪神と戦うことが次なる目標だ。「残り試合全部、勝っていかないと」と松山。そのために、しびれる場面で仕事を果たす。

 ◆今季代打&阪神戦打率・391 松山の今季代打成績は打率・391(46打数18安打)、19打点に。さらに今季阪神戦打率も・391(23打数9安打)、7打点とし、打率、打点ともに対戦セ・リーグ球団で最も好成績。また、マツダスタジアムでは打率・341(44打数15安打)と、本拠地での相性の良さを見せている。

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