カープ西川龍馬 プロ初5打点で阪神粉砕 「そういう日もあるでしょう」首位に2・5差大接近
「広島9-1阪神」(4日、マツダスタジアム)
広島・西川龍馬外野手(28)がバットで攻撃陣をけん引した。初回に先制の2点右前適時打、七回には7号3ランを放ち、プロ入り初の1試合5打点と大暴れ。4番としての働きを十分に示した。チームは連敗を2で止め、本拠地マツダスタジアムで6連勝。首位・阪神に2・5ゲーム差と接近した。
まだ明るさの残る球場に西川が大きな盛り上がりを呼んだ。そして終盤、暗くなった上空にアーチを描く。1試合を通して主役を張り続けた。プロ入り初の1試合5打点に「そういう日もあるでしょう」と照れ笑いを浮かべながらも、勝利の余韻に浸った。
今季4度目の猛打賞、その幕開けは初回にやってきた。1死二、三塁で相手が前進守備を敷く中、一、二塁間を破って右前へ。先制の2点適時打に「追い込まれるまでに前に飛ばそうと思っていた」。西勇の2球目、外角チェンジアップに体勢を崩されながら好結果につなげてみせた。
三回先頭では右前打で出塁し、その後の追加点に絡んだ。そしてフィナーレは5点リードの七回。1死一、二塁で加治屋の2球目を振り抜き、バックスクリーンへ突き刺した。
5月24日・中日戦以来の本塁打。本人は驚きの表情で「自分でもビックリするぐらい飛んだ。うまいこと(バットとボールが)かんだ感じはあったけど、まさか入るとは思わなかった」。トドメを刺す7号3ラン。手応え以上の飛距離に笑みがはじけた。
6月13日・楽天戦から全ての試合で4番に座る。「“4番目”くらい(の気持ち)で気楽にやってますけどね」と笑うが、中軸としての使命感が自然と口を突く。「最近、得点圏が多い。僕が打っていたら勝っていた試合もある。そういう意味では1打席目に(適時打が)出たのは楽になった」。好機で期待に応える。そのために集中力を研ぎ澄ましてバットを握っている。
安打数は92で両リーグトップを快走中。そして、打点もこの日で36とし、チームトップに躍り出た。新井監督も「勝負強い4番の打撃をしてくれている。本当に頼りになります」と絶賛。6月の月間打率は・371を記録し、夏の訪れとシンクロして上昇カーブを描いている。
試合後の西川は「阪神戦の初戦を取れたのは大きい。あした大竹投手なので何とか(したい)」と5日の試合に視線を向けた。連敗を2で止め、首位・阪神とは2・5ゲーム差に接近。心強いバットマンとともに、広島が再び走り出す。





