広島・田中広輔 頼もし2安打3打点 6年ぶり交流戦5割以上は「若い選手が多い中で勢いをつけながら」原動力を分析
「広島6-4西武」(17日、マツダスタジアム)
広島は田中広輔内野手(33)が四回と五回に2打席連続の適時二塁打を放ち、2安打3打点と躍動。3カードぶりの勝ち越しに貢献した。貯金は今季最多タイの3となり、3位・巨人には0・5ゲーム差に迫った。チームは開催3季連続最下位と苦戦していた交流戦での勝率5割以上が確定。18日も勝ち、2017年以来の交流戦勝ち越しを狙う。
真っ赤に染まった本拠地が揺れた。田中が奏でた2本の快音に、スタンドとベンチが沸き上がる。チームとしても、もがき苦しんだ過去に別れを告げる出色の働き。お立ち台では「(試合に)出た時こそ活躍したい。そういう機会が増えるようにもっと結果を出したい」とさらなる貢献を約束した。
1点リードの四回無死二塁で、高橋の初球を振り抜いた。最後は右手一本になりながら、打球は一塁線を破った。追加点の適時二塁打に「いいところに飛んでくれた」と笑みを浮かべた。
続く五回は無死二、三塁の絶好機。4球目を捉えると、白球は前進していた相手の中堅手の頭上を越えた。塁上で手をたたき、ベンチに向かってガッツポーズ。「最低限、外野フライ(を打とう)と。風にも乗ってあそこまで飛んでくれた。結果オーライだと思います」。謙虚に振り返ったが、冷静に状況を見極めて期待に応える姿が実に頼もしかった。
2019年から開催3季連続で最下位と沈んでいた、パ・リーグとの戦い。この日の勝利で勝率5割以上が決まり、2017年以来の勝ち越しにも王手をかけた。
善戦が続いた要因に田中は「選手自体も交流戦が苦手という感じもない。今年は勝ちがぽんぽんと続いて、若い選手が多い中で勢いをつけながら一試合一試合、積み重ねてこられたのかなと感じている」。真剣勝負に身を置きながら日々グラウンドに立つ、若鯉たちの存在が原動力になったと分析した。
新井監督も「本当に選手のおかげですね。がんばってくれている」と選手全員をねぎらった。交流戦期間、同一カード3連敗は一度もなかった。この日は高橋を4回KO。オリックス戦では山本、山下と当たり、ロッテ戦では佐々木朗との顔合わせになった。敗れても臆することなく、各球団が誇る主戦投手たちとがっぷり四つでぶつかってきた。
18日の相手先発は平良。「あしたも、いい投手なので」と指揮官が気合を入れれば、田中本人も「勝って交流戦を終えて、リーグ戦にいきたい」と腕をまくった。3連勝での交流戦フィニッシュへ、全力を注いでいく。
◆交流戦5割以上確定 広島は17年の12勝6敗を最後に、昨年まで交流戦開催4シーズン連続で負け越していた。18日に勝てば同年以来の勝ち越しが決まる。





