広島・野間 復帰後初タイムリー 6年ぶり敵地3連戦3連勝決めた 貯金最多3「帰ってきて2試合何もできなかった」
「日本ハム2-7広島」(8日、エスコンフィールド)
広島が交流戦では2018年以来、5年ぶりとなる同一カード3連勝を飾った。敵地に限れば17年以来6年ぶり(20年を除く)。殊勲打を放ったのは野間峻祥外野手(30)だ。同点の五回2死満塁から勝ち越しの2点適時打。6日の1軍復帰後、初の適時打で存在感を示した。チームは貯金を5月16日以来の今季最多タイ3とし、6チームが並ぶ交流戦首位に浮上した。
踏み出した両足に、湧き上がる熱気を感じた。野間の背中を敵地の大歓声が包み込む。みんが待っていた、この一打。復帰後初の適時打が決勝点につながった。「いいタイムリーになった」。チームを3連戦3連勝へと導いた一振りに笑みがこぼれた。
同点の五回2死満塁で打席が巡った。1ボールからの外角チェンジアップをうまく捉えて右前へ運ぶ。2者が生還して相手捕手の失策の間に、一走・矢野まで生還。「浮いてきた球を狙って、準備はしていた。いい打点というか、タイムリーが出て良かった」。通算4試合で0勝3敗と辛酸をなめ続けていた上沢から、試合の主導権を奪った。
安堵(あんど)できた快音にもなった。右太もも裏の張りで、5月17日に出場選手登録を抹消された。戦線を離れて6日から1軍に再昇格。だが復帰後2試合は計7打数1安打ともどかしさを募らせていた。「(1軍に)帰ってきて2試合何もできていなかったので、少しはチームの勝ちに貢献できたかなと感じてます」。仕事を果たせた充実感がにじんむ。
背中を押してくれる出来事もあった。母校・中部学院大は、開催されている全日本大学野球選手権に10年ぶりに出場。この日の準々決勝では青学大に敗戦したが、初めて全国大会で2勝を挙げた。「『応援してます』という感じでは伝えていました」。チームを率いる間宮大貴監督(34)は野間が1年生時、主将を務めていた。自分も身につけたユニホームで躍動する後輩の姿も、力に変えた。
チームが交流戦、敵地で同一カード3連勝を果たすのは2017年以来6年ぶり。その立役者に新井監督は「だんだん内容も反応も良くなってきている。ナイスバッティングでしたね」と賛辞を惜しまなかった。チームもこれで交流戦首位タイに浮上。攻守で欠かせぬ背番号37が、先頭になって赤ヘルをけん引する。





