カープ栗林2軍戦で実戦復帰 1回0封「ゼロで抑えることが一番」 最速148キロで全球種テスト
「ウエスタン、広島4-2オリックス」(25日、由宇球場)
右内転筋筋挫傷で離脱していた広島・栗林良吏投手(26)が25日、ウエスタン・オリックス戦(由宇)で約1カ月ぶりに実戦復帰した。九回から登板し1回1安打無失点で、最速は148キロを計測。痛めていた患部は問題ない様子で再昇格へ向けて、順調な一歩を踏み出した。
思い切り腕を振り抜いた。栗林が直球を軸にカットボール、カーブ、フォークと全球種を投げ込む。復帰登板で、2点差を守って復帰後“初セーブ”。チームの白星に白い歯をこぼした。
「ゼロで抑えることが一番なので、そこを目標にやりました。真っすぐでファウルを取れたしストライク先行でいけた。良かった」
4月29日・巨人戦(東京ド)以来の実戦登板は、九回に巡ってきた。代打・佐野如は直球で三邪飛。福永にはフォークをすくわれ中前打を浴びたが、渡部を一邪飛に仕留めた。最後は山足をカットボールで攻めて二ゴロだ。12球中ボールは4球。積極的にストライクゾーンで勝負した。
1回1安打無失点で、最速は148キロ。「もうちょっと出てほしい」と話したものの、球速表示では測れない手応えがあった。
「右、左の内角に投げてファウルフライに打ち取った時とかイメージ通りの球。1軍では投げられていなかったので良かった」
今季は12試合で0勝4敗7セーブ、防御率5・56。直球でファウルが奪えなかったり、コースへ投げきれなかったりしたことで苦しんだ。胸元を突く球は配球を組み立てる上で欠かせない。狙い通りの球筋は自信になる。
1日に右内転筋の張りを訴え出場選手登録を抹消され、「右内転筋筋挫傷」と診断された。登板後は「全く問題ない」ときっぱり。回復は順調だ。
1軍合流時期について問われた新井監督は「2軍のコーチと話し合って決めてもらいたい。彼に任せている」と話した。永川2軍投手コーチは「納得する状態で1軍に上がらないといけない選手。もう1試合でも投げて、万全にいったほうがいいんじゃないかと思っている」と話した。再び2軍戦に登板し、その後に昇格を含めて判断するとみられる。
試合後、栗林はブルペンで投球をおかわり。永川コーチに指導を仰ぎ、修正中のフォークを投げ込んだ。「フォークで2ストライクから空振りが取れていない。継続してやっていかないといけない」。すぐさま課題に取り組む姿が、頼もしく映った。
◆広島・栗林の実戦復帰までの過程◆
4月29日 巨人戦(東京ド)で九回に中田翔に逆転サヨナラ2ランを浴びて4敗目
30日 巨人戦(東京ド)でベンチ入りメンバーから外れる
5月1日 右足内転筋の張りを訴え、出場選手登録抹消
2日 広島市内の病院で検査を受け「右内転筋筋挫傷」と診断される
3日 2軍でリハビリを開始
6日 キャッチボールを再開
7日 ジョギング再開
13日 ブルペン投球再開
17日 シート打撃登板
23日 実戦復帰前最後のブルペン投球
25日 ウエスタン・オリックス戦(由宇)で実戦復帰して、1回1安打無失点