カープ九里 中日戦7連勝で連敗止めた 新井監督「しっかり試合を作ってくれる。頼もしい」
「広島6-2中日」(24日、マツダスタジアム)
広島の九里亜蓮投手(31)が7回1失点の好投でチームの連敗ストップに貢献した。中日戦は2021年5月8日に勝って以降、自身7連勝。“竜キラー”ぶりを発揮した。本拠地での白星は2週間の長期ロードなどがあったため4月27日の中日戦以来。勝率5割に復帰した新井カープが、再び上位浮上を狙う。
力強くグラブをたたいた。流れを断ち切りたい六回1死一塁。九里は大島をシュートで二ゴロ併殺打に打ち取った。「安打も打たれたけど粘り強く、結果的に投げることができた」。要所を締め7回7安打1失点。耐えてつかみ取った3勝目だ。
本調子ではなかった。初回を三者凡退でスタートしながら二回は連打を浴びてピンチを招いた。投球後に体が一塁側に流れるなど、力を伝えきることができない投球もあった。
「全体的に良くなかった。でもずっと調子が良いときはない。最少失点で粘り強く試合をつくっていくことだけを考えていた」
三回までに味方攻撃陣が6得点。大量援護も力に変え、目の前の打者一人一人を抑えることだけに注力した。前回17日のDeNA戦は八回、四球をきっかけに逆転を許し黒星を喫したが、この日は無四球。調子が悪くても自ら崩れなかったことが白星を呼び込んだ。
“竜キラー”だ。今季の中日戦は4戦3勝。31回で2失点(自責点1)しかしていない。新井監督は「内容も良かった。あまり調子は良さそうじゃなかったけど、それでもしっかり試合を作ってくれるあたり、頼もしい」と目尻を下げた。
今季は投球時に力感がないという不思議な現象に襲われている。
「僕の中では力が入っている感覚がない。発見なのか、これが正解なのかはちょっとわかっていないんです」
昨オフには自らの殻を破るため米国へ武者修行し、科学的トレーニングなども取り入れた。チームを勝利に導く投球をしながら続ける自分探し。その先にレベルアップした姿があるはずだ。
チームは連敗を3で止めた。勝率も5割に復帰し、上位3チームに食らいつく。
次回登板は交流戦になる。パ・リーグとの戦いは毎年シーズンの行方を左右してきた。
「特に気にすることなく。自分のスタイルも変えることなく一人一人と勝負した中で結果が出れば」
力強い言葉が頼もしかった。