秋山 新井カープ“1号”打撃改造 攻めの姿勢で貫禄右越え2ラン!走攻守に元気ハツラツ
「広島紅白戦、白組3-3紅組」(12日、天福球場)
広島・秋山翔吾外野手(34)が12日、今キャンプ初の紅白戦で、六回に“チーム1号”となる同点の右越え2ランを放った。新井貴浩監督(46)も目尻を下げた、初実戦での貫禄の一発。新たな打撃改造に取り組む中、今後の実戦でも走攻守で攻めの姿勢を示す構えで、移籍2年目のシーズンを前に準備を整えていく。
さっそうとダイヤモンドを一周する姿に、主力としての自覚が漂う。力強いスイングから放たれた白球は、弧を描きながらフェンスを越えた。秋山は温かい拍手を浴びながら、ホームイン。「感触は良かった。いろんな狙いを持ってやれたかな」と過度な喜びに浸ることなく、客観的に初実戦を振り返った。
紅組の「1番・中堅」で先発出場。ハイライトは2点を追う六回の第3打席だ。無死二塁で白組5番手・藤井から一発。カウント3-1から内寄りのフォークを鋭く振り抜き、右越えの2ランとした。
オフから打撃改造に取り組み、早いカウントで直球を力強くはじき返すことに主眼を置く。この日、仕留めた球は変化球。「タイミングがズレた中で振れたとは思う」としつつも「しっかり振りにいった中で(直球を)捉えているわけではないので、まだ判断しづらいところはあります」と、新たな取り組みの習熟度については冷静に分析した。
手放しで喜ぶ快音ではないが、理想の打撃を求める過程を歩む上では前を向ける“チーム1号”。新井監督は「いい本塁打でしたね。やってきていることが結果として出るのは若手、ベテランに関係なくうれしいこと。僕もそうだった」と自らの経験を踏まえて語った。
初回は中飛、三回の2打席目は遊飛。いずれも初球を打った。ある程度のキャリアを積んだ選手なら“目慣らし”で投球を見ていくことで調整を進めることもあるが、現段階での秋山は違う。
「いろんな球を見るというより自分の体と目、体の反応がどれだけ合うかを(重視したい)。ここから何試合、そういう感じでやっていくか分からないけど、(それは)シーズン中も必要になってくる」。経験に裏打ちされた段階の踏み方で、調整を進める。
キャンプ期間は走塁でも守備でもハツラツとした姿が印象的。「動き過ぎと思われている部分もあると思う。気を張ってやれるのなら、そういう姿勢も見せていいんじゃないかな」。アグレッシブにグラウンドを駆けながら、自らの感覚と対話を重ねていく。




