【カープ・新コーチに聞く】福地コーチ〝お家芸〟復活目指す

 新井貴浩監督(45)率いる新生カープの秋季キャンプが、宮崎県日南市で21日まで行われた。新たに加わったコーチングスタッフを迎えた中、「新コーチに聞く」を計4回にわたって掲載する。第2回は18年ぶりに古巣復帰した福地寿樹2軍打撃兼走塁コーチ。今季影を潜めた伝統の機動力野球復活へ、盗塁の際に必要な要素を語った。

 秋季キャンプ合流初日となった11日から、福地コーチは精力的に動いた。まず選手たちに課したのはスタートの切り方。同コーチがボールを手に取り、選手に向かって腰を下ろす。練習メニューはボールが手から離れる瞬間にスタートを切るというものだ。「形どうこうではなく、とにかくスタートを切る本能の部分。落ちる前に行ってくれ、という練習をしました」と狙いを説明した。

 ボールが落ちる前にスタートを切っても構わない。極端ではあるが、その意図は「そういう練習をしている中で自分たちが(スタートを)切りやすいフォームがだんだん崩れてくる。その状態になってスタートを切ろうとするから、スタートを切れない」。動き出す前の第一段階としての部分を、形ではなく感覚として植え付ける重要性を語った。

 盗塁成功には足の速い選手が有利。だが、それだけではない。「速いに越したことはないが、どのタイミングで、いつ走るのかが重要になってくる。(足が遅くても)いけます。ぶっちゃけ投手が投げる前にスタートを切ってしまえばセーフになる確率は高い。そういう極端なことを言いますが、それくらいの気持ちでいけば成功するかもしれない」

 二塁を狙う上で最も肝要になるのは自信。「本当に自信を持ってスタートが切れるかどうか。必ずそこに迷いが生じてくる。迷いを取れるようにはしたいですね。数に関してはあまり深くは考えないが、中身ですよね。どういうふうに企画できたか」と同コーチ。キャンプ期間では選手各自にリラックスすることも説き、脱力する重要性も語った。

 チームは今季、チーム盗塁数が球団ワーストを更新する26個。企図数55もリーグ最下位だった。2軍もリーグ最下位の47盗塁。伝統の機動力野球を復活させたい思いは、心に強くある。

 「伝統である機動力っていうのは先輩方が築き上げてきたものですし、やっぱりチームカラーというのはずっと引き継がれている、これから先も引き継いでいくものだと僕は思っている」。現役時代は通算251盗塁を誇った足のスペシャリスト。“お家芸”をよみがえらせるべくチームに尽力していく。

 ◆福地 寿樹(ふくち・かずき)1975年12月17日生まれ、46歳。佐賀県出身。現役時代は右投げ両打ちの内、外野手。杵島商から93年度ドラフト4位で広島入団。06年、トレードで西武に移籍し、08年にFAの人的補償でヤクルトへ。08、09年に盗塁王を獲得。12年に引退後はヤクルトの外野守備走塁コーチなどを務めた。

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