広島の新井貴浩監督（４５）が２４日、マツダスタジアムで取材に応じ、カタールＷ杯初戦でドイツから歴史的勝利を収めた森保ジャパンに刺激を受け、改めて一体感を持って最後まで諦めずに戦い抜く姿勢の大切さを感じ取った。日本代表のように一体感のあるチーム作りを目指していく。

　「ドーハの奇跡」にくぎ付けになった。森保監督率いる日本代表がドイツから歴史的金星を挙げた。新井監督は興奮を隠せない。「もちろん見たよ。後から出た選手があれだけ活躍して、すごいね」。Ｗ杯４度の優勝を誇る強豪国撃破に自然と力がこもった。

　胸を打ったのがチームの一体感と諦めない姿勢だ。０－１で後半を迎えた日本代表は攻撃的な布陣に変更。交代枠を全て使い切って攻めた。同点ゴールを決めた堂安や決勝弾をたたき込んだ浅野は、後半から送り出された選手。守備陣も最後までドイツの猛攻を耐え抜き、１失点でしのいだ。

　「初めてなんじゃないかな。ちょっと野球と重ね合わせて（見た）」

　来季から新井監督はカープの指揮を執る。これまでサッカーなどを見るときはファン目線だったが、今回は違った。チームを預かる立場として見つめ、大きな刺激を受けた。

　「後からいった選手が同点打、決勝打を打ったけど、守備もすごかった。（逆転するまで）最少失点で頑張っていた投手陣が、という風に（見ていた）。一丸となれるし、盛り上がる。すごく勢いが付く、いい勝ち方だったんじゃないかな」

　途中出場した選手が結果を出し、得点が入る度に控え選手も一緒になって喜ぶ映像は、競技の垣根を越えて目指すチーム像だ。

　新井監督はチームを「家族」と表現し、一体感を大事にする。逆境に立たされても諦めず全力を出し切る姿勢も信条だ。森保監督の築き上げたチームが全員でもぎ取った１勝。心を動かされた。