広島が今季まで阪神で１軍バッテリーコーチを務めていた藤井彰人氏（４６）を来季のヘッドコーチとして招へいすることが１７日、分かった。豊富な経験に期待しての入閣要請で、近日中にも正式発表される。

　藤井氏は現役時代、３球団を渡り歩いた。野村監督や梨田監督の下でプレーした知識などは何物にも代えがたい。球団幹部は「願ってもないこと。外部からというのも良かった」と力を込めた。

　新井新監督の意向も踏まえて進められた人選だ。同氏は新監督と同学年。１１年から４年間、一緒にプレーした。気心知れた存在で野球観も同じ。作戦面を含め、サポート役として何でも進言してくれる存在は心強い。

指導経験豊富

　藤井氏は９８年度ドラフト２位で近鉄に入団。楽天を経て、１０年オフに国内ＦＡ権を行使して阪神へ移籍した。１５年に現役引退。１６年からはＢＣ・福井に派遣され、指導者の道を歩み始めた。同年オフに阪神に復帰し、２軍バッテリーコーチなどを歴任し、１９年から今季まで１軍バッテリーコーチを務めた。

　１５日に今季限りでの退団が発表されており、受諾は確実。この日、藤井氏は甲子園球場を訪れた際、阪神球団に対して「本当に感謝しかない」と話した。明るい性格と厚い人望で、新井新体制を支えていく。

　◆藤井　彰人（ふじい・あきひと）１９７６年６月１８日生まれ、４６歳。大阪府出身。現役時代は右投げ右打ちの捕手。近大付から近大を経て、９８年度ドラフト２位で近鉄入団。０５年にオリックスとの合併に伴う分配ドラフトで楽天移籍。１０年オフに阪神へＦＡ移籍。通算成績は１０７３試合で打率・２３６、１０本塁打、１７３打点。１５年に現役引退後、フロント入り。１６年にＢＣリーグ・福井にコーチ派遣。１７年から阪神２軍育成コーチなどを歴任し、１９年から１軍バッテリーコーチ。