【石原慶幸氏の眼】自己犠牲が生んだ広島の効果的な得点

 「広島6-3ヤクルト」(11日、マツダスタジアム)

 広島がヤクルトに同一カード3連勝を飾った。四回に西川の7号3ランで先制すると、1点差に迫られた六回には小園、会沢の連続適時打で突き放し、今季0勝2敗と苦戦していたサイスニードを攻略。マツダスタジアムでのヤクルト3連戦3連勝は、2017年以来5年ぶりとなった試合を、デイリースポーツ評論家の石原慶幸氏が解説した。

  ◇  ◇

 まずは先発した野村が5回1失点(自責点0)と、粘り強く“野村らしい”ピッチングをしたことが大きい。先発としてその姿を見せたことで、それ以降の投手も続くことができた。

 広島の3点先制からヤクルトの反撃もあったのだが、初回を除き村上の前に走者を置かなかったことも奏功し、各場面での失点を最少で粘ることができた。

 いわゆる“ピッチャー全員”の踏ん張りがあればこそ、攻撃にも流れが来るし、チャンスが生まれる。これが六回、小園、会沢の連続適時打による3点追加を呼んだ。

 さらに見逃せないのが、四回の先制の場面だ。打者であれば「打ちたい」、「決めたい」思いは誰にもある。しかし菊池涼が進塁打を決め、秋山は四球を選んだ。

 『打って、打って』という大量点ではなく、こうした自己犠牲の精神が根付いているからこその先制点であり、借金が増えても跳ね返す原動力となっている。

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