広島 自力V再消滅 床田悔やむ8回3失点「序盤が全然ダメ」援護もなく
「広島0-3阪神」(19日、マツダスタジアム)
勝てば借金完済だった広島は今季8度目の完封負けで、連勝が3で止まった。18日に復活した自力優勝の可能性も再び消滅した。そんな中、先発した床田寛樹投手(27)は8回7安打3失点。打線の援護なく6敗目を喫したが、力投を披露した。前半戦をチームトップ、自己最多の8勝で折り返した左腕が後半戦も躍動する。
かなうのであれば、時計の針を試合前半に戻したい。床田は8回7安打3失点、110球の力投。打線の援護に恵まれなかった面もあったが、本人は反省の言葉を並べた。「序盤が全然ダメだったので。後半ちょっとだけ良くなったんですが、それをもっと早くできるように」と二、三回の失点に唇をかんだ。
二回は佐藤輝、大山の中軸を2者連続で3球三振。いとも簡単に封じたが、続く北條に与えた四球が歯車を狂わせた。その後2死一、三塁とピンチを招くと、梅野の右前適時打で先制点を失った。
三回は先頭・中野を右前打で出塁させた。続く熊谷にバスターエンドランを決められ、左前打で無死一、三塁。一気にピンチが広がり、近本の投ゴロの間に2点目を献上した。
バスターエンドランは1ボールからの2球目。「ボール先行になれば相手のやりたいことができる。先頭を出しても1球、2球でストライクを取らないと、相手のやりたいことが増える。走者が出てからもっとストライク先行でいけるようにしたい」と肝に銘じた。
本来の投球が影を潜めた要因は直球。普段は150キロに迫る速球で打者を封じるが「思い切り投げても140キロぐらいしか出なかった」。時折マウンドで首をかしげる場面もあった。「コントロールを気にし過ぎているのか、上(上半身)ばかりで投げているのかなとか、いろいろ試して投げたんですが」と試行錯誤を続けた。
中盤から復調したが六回、2死二塁から北條の左翼線二塁打で3点目を失い「2点以内に抑えたい」と反省が口を突いた。ただ佐々岡監督は「悪いといえば悪かったと思う。それでも8回3失点は悪いなりに抑えたところ」と評価する。
前半戦は自己最多、チームトップの8勝で折り返し。さらなる白星の上積みには、どれだけ我慢できるかにかかっている。「この時期に、最少失点で粘れるか。勝ちを計算できる投手が、いい投手だと思うので。本当にここからが勝負」と床田は自身に言い聞かせた。プロ入り初の2桁勝利も期待される後半戦へ、暑さに耐えながら踏ん張り続ける。





