カープ・ドラ6末包 実戦3戦連続マルチ安打 4番&レギュラー奪取へ猛アピール
「広島紅白戦、白組3-1紅組」(25日、コザしんきんスタジアム)
広島のドラフト6位・末包昇大外野手(25)=大阪ガス=が25日、“マルチな男”として存在感を見せつけた。出場した紅白戦で2安打1打点。初回に中前適時打、三回は右前打を放ち、これで実戦は3試合連続マルチ安打とアピールに成功した。26日からはオープン戦が開始。さらなる活躍でレギュラー奪取を目指していく。
描いた上昇曲線が、自信を深めた。苦しんだキャンプ序盤の姿はない。3イニング制の紅白戦。限られた打席の中で、末包がバットで魅せた。2安打1打点に「今は打てると思った球を、しっかり打ちにいくことをやっている。その結果、2本のヒットになったかな」と振り返った。
紅組の「4番・一塁」で先発出場。玉村と2度対戦し、初回は1死一、二塁で初球を中前適時打とした。続く三回2死の第2打席は右前打。1ストライクからの外角直球を、低い弾道で捉えた。これで19日の練習試合・巨人戦から、実戦は3試合連続マルチ安打。今キャンプの実戦では19打数6安打1打点で打率・316。結果が何より求められる立場にあって、着実にアピールを続けている。
この日の快音は、いずれもセンターから右方向。キャンプ序盤には三ゴロ、遊ゴロと引っ張った凡打が目立っていたが、練習の中で図った修正が実を結びつつある。「『長打を打ってやろう』と体が開いて右手(の力)が強くなってしまう癖がある。徐々に直ってきたのでヒットが出てきている」と分析した。
先週にはチームメートの宇草を介して、メジャー挑戦を目指す鈴木誠から打撃面でヒントをもらった。コーチ陣と取り組んだ悪癖修正と、前主砲からのアドバイス。いずれも自身に還元し「今は全部良い方向にいっているのかな、という感じ」と手応えを口にした。
だからこそ、“欲”は出さない。まだ実戦で本塁打はないが「力いっぱい振りにいって、また開きが早くなって右手が強くなると、本末転倒。タイミングが合えば、ホームランになるだろうという感じで。長打に関して今は我慢の時期」と焦らないことを重視する。
26日からはオープン戦が始まる。佐々岡監督は「どんどん打席を増やして」と、相手の主力投手と対戦してレベルアップすることを求めた。キャンプ中の実戦では全試合4番に入り「結果を出せば4番を狙えるチャンスも来ると思う」と意気込んだ末包。好調持続で2月を締めくくり、4番が似合う男を目指す。



