若鯉の成長に欠かせない菊池涼の存在 北別府氏「昔はライバル心むき出しだった」

 広島・菊池涼介内野手(31)が後輩の若手に対して連日、積極的にアドバイスを送っている。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「昔の選手はライバル心むき出しだった」と回想する傍ら、「チーム全体のレベルは確実に上がる」と選手による“指導”を歓迎する。

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 キャンプの様子を見ていると、菊池涼が同じ二塁を守る羽月や二遊間を組む小園、三塁の林らに対して今まで以上に積極的に声をかけている。

 なにしろ守備は超一流。最高の模範になる選手からのアドバイスなのだから、これは貴重ですよね。

 ここ数年の間にカープのレギュラーメンバーは大きく変化している。特に野手は、3連覇の中軸を担った丸も鈴木誠也もいなくなったし、田中広輔はひざの故障以来、ベンチを温める機会が多くなった。

 そういう逼迫した状況を目の当たりにして、自分がチームを引っ張らないといけないという気持ちが出てきたのだろう。若い選手に“守備の心得”を教え込んでくれるのだから、チームとしてもありがたいことだね。

 1975年にカープが初優勝した2年後は池谷さんだけが残って、投手陣の顔ぶれがガラっと変わった記憶がある。今の野手陣がそんな感じに近いね。しかし、野手がここまでごっそり入れ替わるのは珍しい。

 (そのころ佐伯、金城両投手がトレードで移籍し、外木場投手は右肩痛で戦列を離れていった)

 昔は選手同士がライバル心むき出しだったように思う。時代が変わったということもあるが、真のリーダーとしての気持ちに目覚めたんだろうね。

 菊池涼の気持ちを想像するに“自分1人が頑張っても勝てない。チーム力を上げないと優勝できない”と思ってアドバイスを送っているのは間違いないでしょうな。

 ポジションが同じ羽月にも丁寧に教えている。まだまだ伸び代のある羽月にすれば、これほど幸せなことはないですよ。

 羽月の最大の武器は『足』なのだから、まずはその脚力を天下一品と言われるまで磨き上げること。そして自分の居場所を築くのが大事。キャンプの実戦練習でバンバン盗塁を決めていたのを見ても分かるように、彼の潜在能力は素晴らしいですよ。

 一見すると非力に思える打撃に関しても、小柄なわりにパワーで見劣りしない印象がある。打撃はタイミングが合えば強い打球が飛んでいくもの。内野安打も増えそうなタイプで、これも武器のひとつになるからね。

 トータル的にはまだまだ菊池涼のレベルには及ばないが、今季も結果を残していけば、レギュラーの座をつかめると思うよ。本当に楽しみな選手だね。

 菊池涼も同じようなことを思っているからこそだろうね。先輩から後輩への贈り物があるチームはそれだけ強くなっていく。それは間違いないですよ。

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