広島・森下 後半戦勝てず、自己ワースト5戦連続勝ちなし
「中日10-1広島」(14日、バンテリンドーム)
白星が遠い。広島の森下暢仁投手(24)は6回8安打で自己ワーストの6失点。自身初の3連敗で7敗目を喫し、プロ入り後最長の5試合連続で勝ち星なしとなった。東京五輪後は5試合で0勝3敗。昨季の新人王が試練の時を迎えている。チームは今季5度目の4連敗で5位・DeNAとは2ゲーム差となった。
うつむいた表情でマウンドを降りた森下は、肩にタオルをかけてベンチからぼうぜんとグラウンドを見つめた。自身初の3連敗。プロ最長の5試合連続で白星から遠ざかった。「同じバッターに何度も同じことを繰り返しているんで。そんな感じです」と勝てない悔しさを募らせた。
二回2死一塁から木下拓の適時二塁打で先制点を献上。六回は1死から渡辺を三振に仕留めたチェンジアップが暴投となって振り逃げに。2死後に四死球で満塁として、堂上に右中間へ走者一掃の3点二塁打。踏ん張りどころで試合を決定付ける長打を許した。
6回8安打で自己ワーストの6失点と炎上。7敗目に「点を取られちゃいけない場面で取られている。相手が点を取りやすい流れになってそのままやられている」と反省した。
佐々岡監督は「勝っていない投手はそうなってしまうんでしょうね。大胆さが無くなっているし、自信が揺らいでいるから慎重に、となるのかな。極端に悪いという感じには見えないんだけどね」と首をかしげた。2軍再調整はという問いには「僕の頭の中にその選択はないんだけど、あす、話をして」と話すにとどめた。
前半戦最終登板となった7月14日の中日戦で6勝目を飾ってから、後半戦は5試合で0勝3敗。もがき苦しむ森下は何とか現状を打破しようと試行錯誤を続けている。
「何かしないといけないと思ってやっていました」。この日はセットポジション時の手の位置を胸の高さではなく、ベルト付近に下ろした。また、気分転換からなのか、グラブは通常の黄色ではなく黒色で登板した。しかし、自己ワーストの3暴投を記録するなど、変化球の制球に苦しみ、精彩を欠いた。
チームは今季5度目の4連敗となった。「特にどうすればとかはないですが、タイミングだったり、四球を出したりというところが(失点に)つながっているので、そこを意識して直していかないといけない」と右腕。昨季の新人王が、最下位に沈むチームとともに、試練の時を迎えている。