本塁打量産態勢の広島・鈴木誠 「五輪でヒントをつかんだか」と北別府氏
広島・鈴木誠也外野手(27)が6試合連発を放つなど本塁打量産態勢に入ってきた。30号到達も目前。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「中途半端なスイングが消え、今はバットを振り切っている」とその変化に驚いている。
今年の前半、鈴木誠はどこか“ヤマ”を張っているようなスイングに見えた。しかし、仕留めにいってもポイントが合わず、捕らえきれないという印象が強かった。
3割前後の打率は残せていても、打撃の状態はよくなかったと思う。途中でコロナやワクチン接種の副反応といった技術以外の要因も加わったが、それ以前に納得のできる打撃ができていなかったはずだ。
ところが、9月に入って大きく変わった。6試合連発でしょ。30号も目前にまで迫ってきている。さすが“日本の4番”ですよ。
調子が悪い時は中途半端なスイングが目立ったけど、今はバットを振り切っている。
五輪の出場が、いいきっかけになったのではないかな。何かヒントをつかんだのかもしれない。
気分転換にもなっただろうし、海外の選手や各チームでクリーンアップを担う選手の集まった場所、そこで何か刺激を受けたんだろうね。
12日の試合で巨人の菅野からレフトへ大きな本塁打を放ったけど、内角低めの難しい球だった。
4番打者は“ひと振り”で雰囲気をガラっと変える。その一撃で相手投手の調子を一気に崩すこともある。
菅野は持ちこたえていたけど、それだけの破壊力をもっているのが4番なんですよ。
いよいよ本塁打量産態勢に入り、3年ぶりの30号到達も時間の問題。
とはいえ、彼はホームランを打って喜んでいる選手でもない。
詰まった当たりでもタイムリー打になれば納得しているし、走者を進めることすらできずに三振すると、ベンチで自分自身に怒りをぶつけている。
後ろの打者に「つなぐ」という意識が強いんだろうね。
鈴木は常に新しいものに取り組む姿勢があるし、向上心が強い。それだけに壁にぶつかることも多いはず。
だけど、それを一つひとつ乗り越えてこそチームを代表する強打者になっていくわけだし、トップに立つためには必ず通る道。
その道が険しいほど大きくなっていくのだと思う。誠也もきっとそうなるんだろうね。