広島・栗林 球団新!歴史刻んだ開幕から22戦連続無失点 サヨナラ危機もしのいだ

 「ソフトバンク1-1広島」(10日、ペイペイドーム)

 黄金ルーキーが球団史を塗り替えた。広島ドラフト1位の栗林良吏投手(24)=トヨタ自動車=が九回を無失点に抑え、開幕から22試合連続無失点の球団新記録を打ち立てた。先頭打者に四球を与え、プロ入り初のボークを犯すなど一打サヨナラ負けのピンチを招いたが、懸命に本塁を死守した。

 スーッと息を吐いて投じた魂の一球は伝家の宝刀・フォーク。栗林は最後の打者、代打・柳町を空振り三振に打ち取ると、緊張から解き放たれたように安どの表情を浮かべた。大粒の汗を拭いながら捕手・坂倉とタッチを交わした黄金ルーキー。開幕から22試合連続無失点の球団新記録。現球団広報の河内貴哉が13年に達成した記録を更新し「河内さんを抜かせてもらってうれしいです(笑)」と声を弾ませた。

 同点の九回は手に汗握る緊迫の場面が続いた。先頭の柳田に四球を与えると、代走は俊足の周東。川島の犠打は捕邪飛となったが、試練は続いた。

 中村晃への2球目。セットポジションの静止時間が短いと判断され、プロ入り初となるボーク。「気持ちゆっくり投げるようにしたんですけど…」。8日にも審判から注意を受けていた右腕は一転、1死二塁とサヨナラ負けのピンチを背負った。

 守りやすさを選択して中村晃を申告敬遠した一、二塁から代打・長谷川を一ゴロ。2死二、三塁となり、8日の対戦で中前打を許していた柳町と対峙(たいじ)。カウント1-1からこの日最速の153キロ直球でファウルを奪って追い込むと「全力で腕を振って投げようと思った」と最後はワンバウンドするフォークボールで空を切らせた。佐々岡監督は「さすがというね。本当、大したもの」と称えた。

 安打を許せばチームは今季2度目の5連敗となり、自身の無失点記録も途切れる危機的状況だったが、気迫で乗り越えた。とても新人とは思えない獅子奮迅の活躍で、防御率は6月を迎えても0・00と汚れを知らない。

 この日、西武の平良が中日・田島がマークした日本記録に並ぶ31試合連続無失点を達成した。「これからもゼロで抑えていって、平良君のように続けられるように頑張りたい」と意気込んだ栗林。投球術はもちろん、どんなピンチにも表情ひとつ変えない精神力は新人離れしている。こん身の16球が価値ある引き分けを演出した。

 ◆球団新の開幕から22試合連続無失点 栗林が2013年・河内貴哉の21試合を抜いて、球団新記録をマーク。なお、2リーグ分立後のプロ野球最長は16年・田島(中日)、21年・平良(西武)の各31試合。また、開幕からを問わない球団最長は12年・今村の29試合。

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