広島・高橋昂 左肘手術…やっとつかんだ1031日ぶり復活星 執念のプロ初打点も

 2回、中島と対戦する高橋昂(撮影・佐藤厚)
 3年ぶりに勝利投手となり、ウイニングボールを手ににっこりの高橋昂(撮影・佐藤厚)
2枚

 「巨人3-6広島」(24日、東京ドーム)

 先発した広島の高橋昂也投手(22)が5回1/3を6安打3失点(自責2)と力投し、18年6月28日の巨人戦以来となる1031日ぶりの勝利を挙げた。打者としても自らタイムリーを放つなど投打に活躍。19年2月にトミー・ジョン手術を受けた左腕が、故障を乗り越えて見事に復活星を飾った。チームは3、4番の一発攻勢で逆転勝ち。引き分けを挟んだ連敗を3で止めた。

 この男のカムバックを誰もが待ち望んでいた。はにかんだ表情でお立ち台に上がった高橋昂は久々の勝利をかみしめるように言葉を紡いだ。18年6月28日の巨人戦以来となる1031日ぶりの白星。「うれしいです。つらい日々がほとんどだったんですけど、いつかまた1軍で投げることを夢見て頑張ってきたので良かった」と喜びの声を上げた。

 序盤は苦しい投球だった。「結構バットに当てられた」。初回、坂本に先制2ランを被弾。二回にも味方のエラーから失点した。それでも「低めに投げろ」という会沢の助言もあって、中盤からは制球が安定。「どうにか立て直すことができた。そこはまた自分のレベルが上がったかなと思う」。粘りの投球で試合を作った。

 バットでも魅せた。「何としても打つという気持ちで臨んだ。いいところに転がってくれて良かった」。2点を追う四回2死一、二塁。直球に食らい付くと打球は中前に転がった。プロ初打点となるタイムリー。投打ににじませた勝利への執念で1点差に迫った。

 思いは打線にも乗り移った。五回に主砲・鈴木誠の2ランで逆転し、左腕に復帰後初勝利をプレゼント。「前回はナイスピッチングをした中で勝ちを付けてやれなかった。きょうこそはチーム全体で昂也(高橋)を勝たせようという雰囲気にも見えた」と野手陣の奮闘をたたえた佐々岡監督は「ファームでも見てきた選手。故障してリハビリをしてきた姿を見てきたのでね」と左腕の苦しんだ日々を思いやった。

 左肘手術の後は長く険しい道のりが続いた。それでも、もう一度1軍の舞台に立つために地道にリハビリを重ねた。昨年は肘の負担を軽減させるフォームを試行錯誤。オリックス・山本由伸の動画を参考に柔軟トレーニングに励むなど、黙々と汗を流した。この日、球場には両親が応援に駆けつけた。「頑張れと言われました」。支えてくれた家族にささげる感謝の1勝でもあった。

 「もっと勝ちが付くように頑張っていきたい」。けがを乗り越えた若き左腕。プロ野球人生第2章が、ここからスタートする。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

広島カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス