広島・中村祐、プロ通算10勝 粘投6回1失点!マツダで決めた節目の星
「広島7-4ヤクルト」(11日、マツダスタジアム)
ヒーローインタビューを終えてベンチに引き揚げる前、広島・中村祐は帽子を取って右翼スタンドへ深々と頭を下げた。1勝の重みが身に染みるからこそ、感謝の思いは尽きない。6回を6安打1失点の粘投。「応援してくれる人の前で勝つ姿を見せられて、すごくうれしい」。本拠地のファンの前でつかんだ2勝目に、喜びも増幅した。
直球で差し込み、変化球は低く集めた。会沢からは「とにかく低く。ただ、しっかり腕を振っていけ」と言われた。1-0の五回は2死一、二塁で山田哲を見逃し三振。女房役の指示通り、外角低めいっぱいにスライダーを決めた。
本人は「調子はあまり良くなかった」と話すが「ストライク先行が良かった」と7奪三振で2週連続の“ツバメ斬り”に成功。バットでも、五回無死満塁から右前適時打を放って自らを援護した。
自身2連勝でプロ通算10勝に到達。プロ入りの際には「まさか10勝できるとは思っていなかった。1勝できればいいと思っていました」と素直な心境を明かした。18年以降、なかなか1軍に定着できなかった分、支えてくれた人のために腕を振る。「もっともっと頑張って、勝つことができればチームに貢献できるので」と右腕。恩返しを胸に、最後まで戦い抜く。