広島・遠藤、虎退治じゃ 天敵0勝3敗…中軸一発大警戒、ローテ初完走へ正念場
7日・阪神戦(マツダ)に先発予定の広島・遠藤淳志投手(21)が5日、今季初の“虎狩り”を誓った。ここまで阪神戦は5試合に登板して0勝3敗。白星自体も8月2日を最後に遠ざかっている現状だ。苦境を乗り越えるべく、相手の中軸に長打を打たれないことをテーマに置いた右腕。開幕から守ってきた1軍ローテ完走に向けて、残り試合を投げ抜いていく。
ここまで歩んできたからこそ、尻すぼみで終わるわけにはいかない。マツダスタジアムでの指名練習に参加した遠藤は、キャッチボールやブルペン投球で調整。7日の先発登板に向けて、着々と準備を整えた。長らく味わえていない勝利の味。プロ初完投勝利を挙げた8月2日・巨人戦(東京ドーム)以来、約2カ月ぶりとなる今季3勝目を狙う。
相手は今季0勝3敗の阪神。「(未勝利の)事実をしっかり受け止めながら。阪神戦、どこで打たれているかもしっかり把握している」と遠藤は自らに言い聞かせた。辛酸をなめさせられているのは相手の中軸で「サンズ、大山さん、ボーアをしっかり気を付けて」。特に大山、サンズの2人には過去の対戦でそれぞれ2本ずつ本塁打を浴びた。
阪神戦は計5被弾でチーム別の内訳ではワースト。「単打OKくらいの感じで。長打を許さずに、どれだけ低めに集められるか、低めを意識しながらやっていければ」と細心の注意を払いながら投球を組み立てていく。
遠藤自身、直近5試合では4被弾。制球に苦しんで四球を与え、走者を置いて一発を浴びる場面も目立っている。前回9月29日の巨人戦は5回4安打3失点。被弾こそなかったが、4四死球のうち3四死球が失点に結びついた。だからこそ「一番は、無駄な四球を出してしまうことがいけないこと。とにかくゾーンで勝負していけるように」とストライク先行を心掛けていく。
開幕ローテ入りした先発6投手のうち、一度も外れず現在もローテを守るのは九里と遠藤だけ。「投げさせてもらっている形ではありますけど、開幕前から掲げていた目標でもありますし」と右腕。順当に中6日で回れば残り5試合の登板が濃厚だ。先発としてペナントレースを戦うのは初めての経験。試行錯誤を重ねつつ1軍ローテを完走することは、今後に必ず生きる。
前回登板から、投球フォームをワインドアップからノーワインドアップに変更し、手応えを感じた。長丁場のシーズンも、いよいよ最後の直線。まずは“虎退治”で負の流れに終止符を打つ。



