広島・九里 今季初完封5勝目!愛息から初めて「頑張ってきてね」パパやったぜ!
「広島4-0DeNA」(28日、マツダスタジアム)
最下位転落のピンチを今季初完封で救った。広島の九里亜蓮投手(29)が9回7安打無失点に抑え、昨年6月25日の楽天戦以来となる自身2度目のシャットアウト勝ちで5勝目。29日からは本拠地で首位・巨人を迎え撃ち、赤ヘル軍団の意地を示す。
1万5602人の観客が見守る中、代打・乙坂を左飛に抑えると九里はパンッとグラブをたたいてガッツポーズし、雄たけびを上げた。捕手の坂倉とハイタッチを交わし、ナインがマウンドに駆け寄ると表情を緩ませて喜んだ。133球の熱投。2019年6月25日の楽天戦以来となる自身2度目の完封勝ちで5勝目を飾った。
初回、2死一塁から佐野を空振り三振。二回には宮崎、倉本、柴田にも空を切らせ、4者連続三振と上々の立ち上がりを見せた。
だが、三回に四球と安打で1死一、二塁。それでも「キク(菊池涼)のプレーが大きかった」と佐々岡監督。ソトの一、二塁間に抜けそうな打球を好捕して併殺打。ピンチを切り抜けるとリズムに乗った。
変化球を低めに集めた丁寧な投球でスコアボードにゼロを並べ、七回までは三塁を踏ませない内容。八回終了時に指揮官から「九回も任せたぞ」と声を掛けられて続投。最後は2死一、二塁のピンチを迎えたが、「ゼロに抑えることよりも、アウトを取ろうと思ったのが良かった」と目の前の打者に集中して、チームでは森下以来2人目となる完封勝利を飾った。
バットでも自分を助けた。3-0の七回1死三塁で山崎の直球をたたきつけて高いバウンドの二ゴロとし、三走・堂林を本塁へ招き入れた。「打つセンスがないので、必死に食らいついて前に転がせば何とかなると思った」と貴重な追加点を奪った。
約束を守った。この日の朝、息子から初めて『頑張ってきてね』とエールを送られた。「その言葉を忘れずにいいところを見せられるように」とパパは愛息のために奮闘し、完封という最高の結果を導いた。
負ければ最下位転落の一戦をものにし、チームの連敗を止めた。「完封は本人にとってもチームにとっても大きい」と佐々岡監督。お立ち台ではいろいろな思いを込め、「最高です」と発した背番号12。先発ローテを死守し、家庭だけでなく、投手陣の柱にもなる。