広島ドラ1森下マツダ初星じゃ 大瀬良不在“奮投”誓った「気持ちを持って」
広島のドラフト1位・森下暢仁投手(22)=明大=が27日、苦戦が続くチームの救世主になることを誓った。大黒柱の大瀬良が25日にコンディション不良で登録抹消され、今週は先発陣の奮起が一層求められる。30日の中日戦(マツダ)で先発予定の右腕は、エース不在をカバーする投球で本拠地初勝利をたぐり寄せる。
過度に身構えることはしない。それでも先発ローテの一角だという自覚が、森下の胸には強く宿っている。チームを思う気持ちは人一倍。この日はマツダスタジアムに隣接する室内練習場でキャッチボールやダッシュなど、終始リラックスした表情で体を動かした。
チームは30試合を消化して、11勝16敗3分けの5位。26日のDeNA戦(横浜)では終盤の逆転劇で連敗を止めたが、なかなか波に乗れない日々が続いている。それに加え、ここまでチームトップの3勝を挙げる大瀬良が25日に出場選手登録を抹消された。今週は先発登板できないため、エース不在での戦いを強いられる。
そんな非常事態に森下は「しっかりと、みんなでカバーしていけたらいいと思います」と口元を結んだ。大黒柱が抜けた穴は全員で埋め、自身もその一端を担う覚悟でいる。
森下自身もコンディション不良で10日に出場選手登録を抹消されて約2週間、戦列を離れた。その期間は仲間に助けてもらったからこそ、今度は自分の投球でチームを救う。「誰かがとかではなくて、自分がしっかりという思いで皆さんやっていると思う。自分もしっかりとした気持ちを持ってやりたい」。ルーキーには似つかわしくないほどの責任感が尊くもあり、それが原動力になる。
復帰登板となった23日の阪神戦(甲子園)では6回4安打2失点で今季2勝目をマーク。ブランクを感じさせず、圧巻の10奪三振で猛虎打線を封じた。初回に2失点した前回登板を振り返り「やっぱり初回の入り。流れが動くので、そこを大事にやりたい。リズム良くいきたいなと思います」と、三者凡退での立ち上がりを理想に掲げた。
有観客のマツダスタジアムでは初登板。それでもスタンスは変わらない。「守ってくれている人たちは、すごい人ばかり。周りを見たら落ち着くというか、そういうのはあるので、今まで通りやっていけたら」。本拠地初勝利をつかみ、巻き返しを目指すチームに勢いをもたらす。