広島4連敗…5位転落も誠也が光!セ単独トップ6号 プレーで言葉でチームにゲキ
「広島3-8阪神」(5日、マツダスタジアム)
広島は4連敗を喫し、2カード連続の負け越し。苦しいチーム状況の中、4番の鈴木誠也外野手(25)は最後まで必死に戦った。四回にリーグ単独トップの6号ソロ。この日2安打をマークし、打率を・400に上げた。敗戦ムードが漂った六回には、全力疾走で1点をもぎ取った。暗いトンネルから抜け出すのに必要なのは、最後まで諦めない気持ち。主砲は自らのプレーでチームに訴えた。
出口の見えない暗いトンネルの中で主砲の全力プレーがひときわ輝いていた。2安打1打点3得点。チームの全得点に絡み、6月26日の中日戦以来6試合ぶりの本塁打を放った鈴木誠は「とにかくつなぐ意識を持ちながら、甘い球を積極的にいくという意識でした。コントロールがいい投手なので、とにかく塁に出てポンポンいかさないように」と淡々と振り返った。
先頭で迎えた四回の打席。阪神の先発・西勇の初球を捉えた。真ん中に入った135キロツーシーム。高々と舞い上がった打球は、左翼席上段まで飛んだ。「積極的にひと振りで仕留めることができました」。これで今季第6号。巨人・岡本らを置き去り、セ・リーグ本塁打争いの単独トップに立った。
昨季は対戦打率・143と打ちあぐね、「あまり得意ではない」と苦手意識のあった右腕からの一発。二回には右中間への二塁打を放ち、2戦連続のマルチ安打も記録した。13試合を終え、打率はリーグ2位タイの・400に上昇。開幕から好調が続く。
最後まで諦めない姿勢を体現した。2-8と大量リードを許し、迎えた六回。1死から四球で出塁し、続く松山が放った打球が左翼線へ落ちると一塁から全力疾走。浅めの打球だったが、迷うことなく一気に本塁を陥れた。チームが苦しい時だからこそ、常に必死にプレーするのが主砲の役目。「こういう状況だし、やらないといけない。4番を任されている以上は結果を残さないとという思いでやっている」と矜恃(きょうじ)を示した。
昨季対広島4勝の鯉キラーを攻略できず、4連敗。2カード連続の負け越しが決まり、借金は2となった。鈴木誠は「まだ100試合以上残っている」と前を向きつつ、「もちろん勝たないといけないけれど、こういう試合は今後もある。こういう展開でも、投手も野手も粘り強く最後までやらないといけない。そうしないと優勝できない」とチームを鼓舞した。
うつむいている暇はない。テレビ画面越しから必死に声をからして応援しているファンのためにも、主砲が打ち、そしてチームが一丸となって本拠地初白星をつかみ取る。