広島・鈴木、志願の初シートで豪快弾 圧巻の4打数3安打「投手との勝負は楽しい」

 「広島春季キャンプ」(5日、日南)

 広島の鈴木誠也外野手(25)がキャンプ第1クール最終日の5日、初めて行われたシート打撃で1本塁打を含む4打数3安打と圧巻の打撃を見せつけた。自ら志願し、実際の投手の球を打席で体感した主砲は、確かな手応えを得て第1クールを終えた。7日からの第2クール以降も順調に調整を続けながら、万全の状態へと仕上げていく。

 やはり格が違った。この時期とは思えない打球に、チームと鯉党の期待が膨らむ。シート打撃の3打席目。鈴木誠は高橋樹が投じた2ボールからの3球目、外寄り直球を鋭く振り抜いた。右中間へ舞い上がった打球はグングン伸びてそのままフェンスを越えた。「シーズン中に打てるように頑張ります」と控えめに振り返ったが、貫禄の一発に天福球場は大きく沸いた。

 さすがの一撃に佐々岡監督は「ホームランは見ていて声が出るほど」と豪快弾に目尻を下げた。今キャンプ、打撃投手ではなく実際の投手を相手にバットを振ったのは、この日のランチ特打が初。若手選手のアピールの場となるシート打撃に、自ら志願して打席に立った。

 その意図を本人は「ピッチャーとの勝負は楽しい。ただ、それだけです」と笑うが「いいボールが来るので、早い段階で見ていった方がいいんじゃないか」と説明。生きた球を打席に立って、肌で感じることを目的にしていた。

 1打席目は開幕ローテ入りを狙う遠藤に2球で追い込まれたが、ファウルを挟んで4球目の変化球を左前へ。2打席目も山口から左前にはじき返し、レベルの違いをまざまざと見せつけた。

 いとも簡単に3度の快音を残す点に、朝山打撃コーチは思わず、「開幕してもいいんじゃないか、というぐらい」と別格を強調。阪神・太田スコアラーも「手が付けられないな…」と声を漏らす。だが、自身の仕上がりの早さを際立たせた背番号1は周囲とは対照的に、冷静なトーンで「手を出せて、スイングできた」と自己分析した。

 キャンプ初日には、フリー打撃でいきなり10本の柵越えを披露し、この日のランチ特打では菊池保からバックスクリーン弾を放った。第1クールを終え、「やりたい練習ができているし、いいワンクールになった」と納得の表情。第2クールに向けては「特に変えず、普通にやっていきたい」と足元を見つめた。頼もし過ぎる背番号1が、虎視眈々(たんたん)と3・20開幕に照準を合わせていく。

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