大瀬良 当ててでも丸をエグる 巨人へ移籍の強打者封じへ覚悟決マル
広島の大瀬良大地投手(27)が2日、国内FA権を行使して巨人に移籍した丸との来季以降の対戦について、積極的に内角を攻めると明かした。今季、自己最多の39本塁打を放つなどしたバットマンは、2年連続でセ・リーグのMVPを獲得。球界屈指の強打者に対し、死球を恐れることなく強気の投球で勝負する。
難敵となる丸を封じるには-。大瀬良は少し考えた後、言葉をつむいだ。「死球を恐れない気持ちでインコースを突かなければ抑えられる打者じゃない。遠慮せずに突っ込んでいく。そうしないと足をすくわれる」。長打を恐れて外角一辺倒の投球はしない。攻め続ける覚悟だ。
今季、丸は自己最多の39本塁打を放った。前日1日。大瀬良が動画サイトを見ていると、バットマンの今季の全本塁打がまとめてある映像が目にとまった。1本目から何気なく見ていたが、ある本塁打に大きな衝撃を受けた。9月6日の阪神戦。左翼席へ放り込んだ33、34号だ。
「あれを打たれるとピッチャーは投げる球がない」。いずれも外角低めの球。投手からすれば本塁打は想像しがたい1球だった。それをいとも簡単に逆方向のスタンドへ。あらためて脅威を感じ取ったシーンだった。
今季の大瀬良は対戦相手のデータを頭に「パンパンにつめて」マウンドに上がった。それは丸の姿にも影響を受けている。印象に残っているのは昨秋キャンプでの出来事だ。
両手で厚さを示しながら「これくらい(約30センチ)膨大な紙を(丸が)持っていた。対戦した投手一人一人のデータを付けて、もう来年に向けて準備しているんだなと感じた」。体だけではなく頭もフル回転。「こういう人をプロフェッショナルって言うんだと思った」
この日は、広島空港からハワイへ優勝旅行に出発した。昨年は参加しておらず、2年ぶりになる。スーツケースにはグラブを入れた。常夏の島でもキャッチボールやランニングなどを行いコンディションを維持していく。
今季は、昨季までよりも早く球場入り。トレーニングを行い治療を受けていたことで、丸とは数多くの会話をした。飛躍のカギになった2段モーションについても助言を受けた。「もちろんさみしい。かなり悩んでいる姿を見ましたし。でも、どっちに行っても正しい道だと思っていた」。抑えることが恩返しになる。もっと大きな投手になるために、大瀬良は丸に立ち向かう。