薮田 フォーク復活! 進化へ手応え“変幻自在投法”へ仕上がり上々
広島・薮田和樹投手(25)が27日、昨季封印していたフォークを復活させる意欲を示した。宮崎県日南市内での先乗り自主トレで2日連続のブルペン入り。解禁するフォークや新たに習得中のシュートを含め、持ち球のツーシーム、カットボール、カーブなど変化球を交えて計81球を投げ込んだ。昨季チームトップの15勝を挙げた右腕の仕上がりは上々。今季は変幻自在の投球で相手を翻弄(ほんろう)していく。
天福球場の室内ブルペン。2日連続で足を踏み入れた薮田は、鋭いまなざしで一球一球テンポ良く投げ込んだ。迫り来るキャンプ、実戦へ向けて順調に歩を進める姿をのぞかせた。
「仕上がりはいい方だと思います。去年よりもいい。(実戦を)早くやりたいって気持ちはあります」
そう手応えを明かす中、より高みを目指す薮田は昨季「投げてない」というフォーク解禁への意欲を示す。この日のブルペンで数球投じ、「(昨年は)ツーシームが調子良かったのであまり使う場面がなかったけど、また打者の反応が変わるなら使っていきたい」と力を込めた。
右腕にとっての武器である、落ちるツーシーム。その得意球が悪い日でも、昨季はシーズン中に手応えをつかんだカットボールを有効に使い、組み立てた。「そういう(ツーシームが悪い時の組み立ての)幅を広げるために」とフォーク復活への狙いを説明。ツーシームより「がっつり」挟むことで必然的に球速は落ちるが、落ち幅が増すイメージで相手をかく乱させていく。
幅を広げることは、習得に励むシュートにも当てはまる。昨季左打者への被打率が・184だったのに対し、右打者は・247。「右打者には、去年は外の真っすぐとカットの出し入れ。シュートがあれば思い切って踏み込むことはできづらくなる」とシュート導入で対右打者への改善を図る。現在は「半々」の手応えで、今後は打者の反応も見ていく予定。多くの持ち球を得れば、変幻自在の投球も可能となる。
さまざまな変化球を駆使する意向でも、もちろん軸は直球だ。この日も右打者の外角へキレのいい球をバシバシ投じ、「思ってるよりはいい軌道」と納得の表情を浮かべた。一方で「球が外に対して弱かった」と感じた右打者の内角へも入念に投げ込み、確認。どのコースでも最高の直球を生み出すための、余念はない。
3年目の昨季は38試合に登板し、15勝3敗、防御率2・58。勝率・833はリーグトップとなった。開幕投手への意欲も持つ中、まずは「しっかりと打者と勝負する中で結果を残して、開幕ローテをつかみ取りたいです」と掲げた背番号23。進化した姿で、打者を手玉に取っていく。




