広瀬&倉が引退…広島低迷期支えた2人 25日マツダでセレモニー

 広島は20日、広瀬純外野手(37)と倉義和捕手(41=2軍バッテリーコーチ兼任)が今季限りで引退すると発表した。共に今季はここまで1軍出場機会はなく、近日中に引退記者会見を行う予定。25日の地元最終戦、ヤクルト戦で引退セレモニーが開催される方向。低迷期を支えたベテランが、静かに愛着あるユニホームを脱ぐ。

 華々しく飾った25年ぶり優勝の陰で、ひっそりとベテランが引き際を決めた。長く広島の低迷期を支え、常勝軍団の礎となった功労者。その人柄と堅実な守備、シュアな打撃で幾多の観客を魅了した。プロ16年目の広瀬が今季限りで引退する。

 法大在籍時の2000年に、シドニー五輪の日本代表に選出。同年秋、逆指名のドラフト2位で入団した。1年目から1軍で活躍。01年5月22日・横浜戦では、くしくも同じ日に引退発表となった三浦から、プロ初本塁打を記録。低迷期のチームの中で鮮烈な輝きを放った。

 主力選手となって以降、10年には球宴に初出場し、ゴールデングラブ賞を獲得した。13年には15打席連続出塁のプロ野球記録も樹立。記録、記憶に残る名選手として愛されたが、近年は松山、鈴木、野間らの台頭もあって出場機会が激減。昨年に続き、今季もここまで1軍出場がなかった。この日までに、球団に引退の意思を申し入れ、了承された。

 「一緒に戦った選手がユニホームを脱ぐのはさみしい。長く主力として頑張ってくれた」。球場に姿を見せた緒方監督は、同じく引退を発表した倉も含めて、別れを惜しんだ。その上で「倉はコーチとしても、広瀬はプレーしながら背中で若い選手に教えてきてくれた。感謝している」と、優勝の功労者としてねぎらった。

 近日中にも引退会見を開く予定。松田オーナーは「2人は1つの時代を支えてくれた貴重な選手。守備の華麗さ、肩の強さは特別だった」とたたえた。今後は未定ながら将来的には、コーチで復帰する可能性が高い。球団は25日の本拠地最終戦、ヤクルト戦で引退セレモニーを開催予定。既に入場券は完売で、最高の花道が用意される。チームを支えたベテランが、静かにバットを置く。

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