新井弾!誠也弾!「M7」最短9・7Vへ逆転の鯉

 「ヤクルト2-5広島」(2日、神宮球場)

 広島が、今季41度目の逆転勝利で優勝マジックを「7」に減らした。0-2の五回、新井貴浩内野手(39)の17号3ランで試合をひっくり返すと、続く鈴木誠也外野手(22)も今季2度目の3戦連発となる24号ソロ。今季4度目のアベック弾で一挙4点を奪った。劣勢を一振りではねのける強さを示した一戦。最短で7日・中日戦(マツダ)に25年ぶりの優勝が決まる。

 バスへと向かう途中の三塁側のファウルゾーン。沸き上がる左翼席を見た新井が、ポツリと言った。「すごいな…」。自身、そしてチームの夢は、ファンの願いでもある。もっと、もっと大きな歓喜へ-。決意を新たにした瞬間だった。

 一振りで視線をくぎ付けにした。0-2の五回2死一、三塁。石川の内角低めのスライダーに体をうまく回転させた。自慢のパワーで捉えた白球が左中間スタンドへ飛び込む。逆転の17号3ランに「最高の結果。ファンの皆さんが喜んでいる姿が見られてうれしかった」と目尻を下げた。

 打点王争いでトップを独走する94打点目。阪神時代の10年以来となる100打点到達にもあと「6」と迫った。39歳の今季、打点王に輝けば78年に38歳で獲得した王貞治(巨人)を抜きセ界で最年長になる。「優勝を一番に考えている」と前置きした上で「みなさんが期待してくれるなら、その期待に応えたい」と前を見据えた。

 ベテランの一撃で若鯉が勇気をもらった。続く鈴木が、今度は左翼席に突き刺した。「僕の前に新井さんが決めてくれたので、楽な気持ちで打席に入った」。緒方監督が“神ってる”と称賛した6月以来、今季2度目の3戦連発でキャリアハイを再び更新する24号ソロ。新井、鈴木のアベック弾は4度目。2死走者なしから怒濤(どとう)の4連打で試合を決めた。

 39歳の新井は試合前の練習で一切手を抜かない。守備、走塁練習ももちろん。疲労がたまる夏場でも、若手に混じり汗を流してきた。ある選手がつぶやいた。「あれだけ手を抜かないんだから若手も頑張らないといけない」。何事にも全力投球。ひたむきな姿勢を2年間、鈴木も目の当たりにしてきた。

 25年ぶりの優勝の重圧は、どこ吹く風。4連勝でマジックは「7」まで減った。新井は「実感はあるけど、その中でやってきたことをしっかりとやるだけ」と自然体を強調する。緒方監督は「本当に選手は頼もしい。いい仕事をしてくれている」と目を細めながら、誇らしげに語った。

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