岡田の粘った8回2失点!劇勝呼んだ
「交流戦、広島4-3オリックス」(18日、マツダスタジアム)
劇的勝利の瞬間を、広島ドラフト1位・岡田明丈投手(大商大)はロッカーで迎えた。右肩のアイシングを施している最中に、鈴木の2試合連続サヨナラ弾が生まれた。「ベンチに行こうかなと思っていた瞬間だった。すごいですね」。またしてもプロ初勝利はお預け。それでもチームの白星が何よりうれしかった。
チェンジアップを効果的に使った。これまでは140キロ台後半の直球とスライダーが投球の主体だった。「1試合で2~3球しかなかったけど、きょうは投球の幅が広がると思った」とリードした会沢。1-2の八回1死二塁では、133キロのチェンジアップでクラークを空振り三振。追加点を許せば勝負の行方が決まりかねない場面をしのいだ。
1-0の七回1死満塁、代打・モレルに右中間2点適時二塁打を浴び、試合をひっくり返された。岡田は「点を取られたのでダメですね」と猛省した。それでも先発の仕事を十分に果たした、自己最長8回6安打2失点だ。緒方監督は「文句の付けようがない。相手をねじ伏せるような投球だった。失点も責めようとは思わない。今後、カープの柱となれるように、成長につなげてほしい」と評価した。
5月以降、この日を含めた6試合すべてで2失点以下と抜群の安定感を誇る。だが、打線との巡り合わせでプロ初勝利はいまだ、手にしていない。それでも岡田に焦りはない。「そのうち勝てると思います」とサラリと言った。
チェンジアップにメドが立ち、大きな武器を手に入れた。自慢の直球との球速差は約20キロ。投球の幅は、さらに広がったと言っていい。「次もしっかり抑えられるようにしたい」。前を向いて言葉をつむいだ。無心で右腕を振り続ける先に、まぶしく輝く白星が待っている。