マエケン14勝!2・5差CS諦めない

 「広島2‐1阪神」(26日、マツダ) 

 広島の前田健太投手(27)が、8回4安打1失点と好投し、リーグ単独トップの14勝目を挙げた。打撃でも五回、左前への当たりで、好走塁で二塁を陥れると、中軸の連続適時打で逆転に成功。エースが走攻守にわたる活躍で、チームの連敗を4で止めた。3位阪神に2・5ゲーム差とし、逆転CSに望みをつないだ。

 勝利への執念で、意地で、前田は二塁へ投げた、走った。五回。1死一塁から岩田のバントを、好フィールディングで併殺に。打っては好走塁、好判断で二塁打とした。8回を4安打1失点で14勝目。チームの連敗を4で止めた殊勲者は、走、攻、守に大暴れした。

 「狙っていました。(打席が)回ったら鳥谷さんなので。基本、無理でも(二塁に)投げようと思った」

 五回の守備で3年連続4度のゴールデングラブ賞の技を見せると、「走」「攻」でも輝いた。裏の攻撃。1死走者なしで打席に立つと、低めのツーシームを狙った。左前に落ちる打球を放つと、さらに左翼手マートンの動きを見て「飛んだ位置と、捕り方を見て行けると思った」と、好走塁で二塁を陥れた。

 エースの気迫がナインに届く。2死から新井、エルドレッドの連続適時打で逆転に成功した。「みなさんお忘れかもしれませんが、PL学園の4番バッターでした」。胸を張って観客の爆笑を誘うと「勝つためにチャンスを広げたいと必死だった。(本塁に)かえしてくれた時は本当にうれしかった」と笑った。

 本業の「投」も圧巻だった。蓄積疲労による、体の張りなどの影響で中4日での登板を回避。中6日で臨んだ一戦だった。初回に1点を失ったが、二回以降は最速149キロの直球を軸に、阪神打線を寄せ付けない投球。マートンからは直球勝負で、2つの三振を奪った。全112球。無四球で、リードを奪った六回以降は、3回を三者凡退で切り抜けた。

 「逆転してもらってからは、この1点を守り抜くんだと気持ちをもう1つ入れた。プロとして諦めることが、一番格好悪い。とにかく全力で一戦、一戦、勝つために投げる」

 残り7試合。3位阪神と2・5ゲーム差。並ぶ数字は厳しいが、ナインを鼓舞した連敗阻止。望みをつないだ1勝だ。今シーズンの登板は1試合になる可能性が高い。「あと1試合しか貢献できない。チームが勝つために一生懸命、気持ちを入れて投げたい」と前田。戦いは続く。プロとして、エースとして、勝利だけを信じて戦う。

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