野村監督来季去就「まだ分かりません」
「セCSファイナルS・第3戦、巨人3-1広島」(18日、東京ド)
第3戦が行われ、広島は打線が3安打1点に抑え込まれ、逆転負けを喫した。16年ぶりAクラスとなるシーズン3位、初出場のCSでもファーストSを突破。躍進の1年はファイナルS3連敗で幕を閉じた。試合後、今季で契約が切れる野村謙二郎監督(47)は自身の去就について「まだ分かりません」と発言。近日中に球団側と話し合いの場を持つことになった。
16年ぶりのAクラス、初のCS出場、そしてCSファーストS突破。広島の歴史に新たな1ページを加えたシーズンが巨人に3連敗を喫し、終わった。就任4年目の今季、チームを快進撃に導いた野村監督。だが試合後、来季の去就について「まだ分かりません」と、続投の意思を示さなかった。
球団は残留を要望しているもようだ。試合後、鈴木球団代表は「いろいろな選手を使って、チームを作ってくれた。戦力的に足りない中で16年ぶりのAクラスになったわけだから」と、その手腕を高く評価した。
続投を含めた去就についての本格的な話し合いは、これから行われるという。鈴木球団代表は「近々に話はします。また発表します」と明かした。話し合いの日時は不明だが、ドラフト会議のある24日までには監督問題をクリアしたい意向だ。
進退を明かさなかった野村監督だが、終わり方は不完全燃焼だったはずだ。試合前に勝利のポイントに掲げていた打線が沈黙。一回に梵の適時打で先制したが、二回以降は2安打に抑え込まれた。「この3試合の中で、自分たちの力を一番出せなかった」と振り返った。それでも試合後に行われたミーティングでは「よく頑張ってくれた」と選手に感謝の言葉を送った。
これまでの4年間の中で、一番長かったシーズンだった。「シーズンの中で選手は力を付けてきた」と試合ごとに成長を実感した1年。ただ来季への課題について報道陣から問われると、「来季のことは考えていない」と口を閉ざした。
来季の去就について続投を明言しなかったのはなぜなのか。一番の要因は体調面かもしれない。昨季ごろから体調を崩し、オフだけでなくシーズン中も通院していたという。監督業は想像を絶する激務だけに、来季も体調が持つのか不安に思っている可能性はある。16年ぶりAクラスで来季への飛躍が期待される広島だが、野村監督の去就問題で風雲急を告げそうだ。
