大田泰示が日本ハムで開花した理由「ジャイアンツでは葛藤」「気持ちが変わった」

 プロ野球のキャンプインまで1カ月を切った。今オフはFA市場で丸や浅村、人的補償で長野や内海、自由契約となった中島、金子ら多くの大物選手が移籍。新天地でどうプレーするのか、ファンの注目度は高い。

 過去、環境を変えて本来の力を発揮できた選手もいれば、そうでないケースもある。移籍した選手が成功するうえで、重要な要素は何か。新天地の日本ハムで、その才能を開花させた大田泰示外野手に聞いた。

 -移籍後2シーズンで29本塁打。巨人時代と何が変わったか。

 「僕の場合、ファイターズだったからというのが大きいですね。トレードで来た選手を試合で使ってくれる。僕が入る前からさとけん(佐藤賢治)、きたあつ(北篤)、他にもいますが、移籍した選手たちが試合に出て輝ける期間があった」

 -巨人では8シーズンで9本塁打。悩んでいた。

 「変わるきっかけをなかなか作れなかった。OB、先輩、コーチ、いろんな方がアドバイスをくれ、ありがたかったですが、整理もつかなかった。そういうのを頭に入れながらやることで、気持ちが切り換わらなかった。ジャイアンツでは葛藤があり、プレーにも出ちゃいましたね」

 -持ち味の長打を捨てたことも。

 「余裕を持って勝負しにいけるのか、小さい結果を積み重ねなければいけないのか。その差は大きかった。ジャイアンツにいる時は自信がないから。外野には長野さんがいて、亀井さんがいて、外国人もいて。どう勝ち抜くんだ、って。勝ち方が分からず、立ち位置を確立するために、捨てなきゃいけないこともありました」

 -移籍を伝えられた時の気持ちは。

 「まず、自分の立ち位置を考えました。日本ハムの外野は陽さんが抜け、はるき(西川)、こんちゃん(近藤)、他はそんなにいなかった。若い選手はいたけど、自分はその中なら『勝てる』『勝負できる』という変な自信がありました」

 -前向きになれたことが大きい。

 「ジャイアンツで8年過ごし、クビになってもおかしくなかったかもしれない。でもジャイアンツに捨てられたとか、見切られたとか、ネガティブな気持ちだったら、次のチームでは成功していない。選手にとってユニホームが変わるって相当、気持ちが変わりますよ。毎日、ユニホームに袖を通しますが、本当に気が引き締まるんです」

 -移籍にはネガティブなイメージも付きまとうが、自身はそうでなかった。

 「日本のファンの方は、応援する感覚が特別ですよね。感情移入するし、情けがある。例えば内海さんに対して、『なぜ、ジャイアンツを出したんだ』『なぜプロテクトしなかったのか』という意見もあると思うんです。ただ、プロ野球はビジネスの側面もあるので、選手にとっては評価してくれるところが一番。僕はそう思います」

 (デイリースポーツ・佐藤啓)

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