ＤｅＮＡからＦＡで巨人移籍を決めた山口俊投手（２９）が２日、都内ホテルで報道陣に対応し、移籍を決断した理由を語った。髪形を整えてひげもそり、身も心も“巨人色”に染まった様子。Ｖ奪回を果たすべく、先発ローテの一角としてフル回転する決意を示した。

　“巨人・山口俊”を前面に押し出した。長髪を切り、無精ひげもそって登場。「巨人軍は紳士たれ」という球団創設者の故・正力松太郎氏の言葉を意識し、「一日も早くチームカラーにふさわしい格好にしました」と、移籍決断後に散髪したことを明かした。

　１１月２９日にＤｅＮＡに退団の意向を伝え、移籍先を巨人と中日に絞った。その後、熟考の末に３０日深夜に巨人入りを決断。その理由として「最初に手を挙げていただいた」と、交渉解禁後、即アタックしてくれた“熱意”を挙げた。また、巨人・武田康スカウトは山口がプロ入りした際の担当スカウト。恩師からの「また同じチームで野球ができればいいな」という言葉にも、背中を押されたという。

　１１年間所属したＤｅＮＡには感謝の思いを示した。ただ、後ろを振り返る姿はなく、「伝統あるチームでプレーするのはステップアップにつながる。自分の中で、全てジャイアンツさんに向かっています」と言い切った。

　今季は１１勝５敗。リーグトップの５完投、３完封を飾ったスタミナ面にも期待が集まる。「優勝したい。完投プラス貯金も作れるように。一日も早く、読売の山口俊と言われるように頑張りたい」。巨人色に染まった右腕が、Ｖ奪回の鍵を握る。