G菅野“魔球”ワンシーム3年ぶり解禁

 「巨人春季キャンプ」(9日、宮崎)

 菅野智之投手(26)が、プロ1年目以来3年ぶりにワンシームを復活させる考えを明かした。ブルペンで今キャンプ最多の102球を投じ、そのうちワンシームを15球試投。「(今キャンプで)初めてブルペンで投げたけど、手応えを感じている」と自信をのぞかせた。

 ワンシームは直球に近い球速で高さやコースによって変化が変わる“魔球”で、レンジャーズ・ダルビッシュの持ち球としても知られる。だが、人さし指と中指がボールの縫い目をまたぐように握ることから制球が難しく、菅野自身も2年目以降は軌道が比較的安定していたツーシームを選択した。

 今オフの自主トレで握力や指の力を強化。このことが3年ぶりの魔球解禁につながった。「ツーシームだと指に引っかかって、危険なボールになる。キャッチボールで試してもワンシームの方が良かったので」。肉体強化が、思わぬ副産物を生んだ。

 今季のテーマに「完投数増加」と「200イニング」を掲げる菅野にとって、ワンシームは目標達成への武器になる。「ゴロを打たせたいときに投げる。1球で仕留められるボールが欲しかった」。球数を抑え、イニング数、完投数を増やす。「あくまでも軸は直球」と言い切る右腕が“魔球”で打者を幻惑する。

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