「ＤｅＮＡ５－２中日」（２５日、横浜）

　抜群の球威は、最後まで衰えなかった。九回２死二塁。ＤｅＮＡ・山口は１３２球目、代打平田への、外角低めへの１５０キロの直球で奪った見逃しの三振で試合を締めくくった。被安打６、失点２、１１奪三振。今季２４試合目にしてチーム初の完投勝利だ。

　「毎試合、意識は完投。チームで１番に完投できてよかった」。最大の武器は最速１５２キロの直球。二回１死二塁で２者連続三振。四回２死一、二塁でも三振。そして最終回。決め球はすべて外角いっぱいの直球だった。

　４月４日のヤクルト戦（横浜）で危険球退場した。それから２試合続けて六回の大量失点で降板。この日は六回は１死から四球を与えたが、４、５番を打ち取った。「今までは勝ちを意識しすぎたと思う。六回を乗り越えられて、いい意味で成長できたと思います」。関門を乗り越えた先に完投があった。

　中畑監督は「やっと完投できるピッチャーが出てくれた。先発に回ってから一番よかった」と絶賛。７連敗後の３連勝で、借金完済。「最低限の目標が５割。これは単なるスタートライン。ここからだよ。大事なのは」と表情を引き締めた。

　連敗中も投手陣で話し合った。「みんなが役割を果たしてやっていこうと。いいふうにできている」と山口は言う。勢いのつく完投勝利。勝率５割を単なる通過点にする。