2023.09.15

競馬ギガ盛ブログ「“アレ”から一夜明け」（９月１５日）

　こんにちは、栗東・山本ユウキです。われわれは普段、Ｇ１の翌日に勝った馬の陣営を取材します。これが俗に言うＧ１一夜明け取材というものなんですが、歓喜ムード一色の金曜朝は“アレ”の一夜明け取材を行いました。

　足を運んだのは厩舎地区の「ロ－１８」。清水久師にお話を伺いました。昨年１２月のインタビュー記事『ＪＲＡ清水久詞調教師　阪神・岡田監督に期待したい「勝つための決断」』にも登場された大の虎党です。

　昨晩は自宅観戦。テレビの前で優勝の瞬間を見届けたそう。「最後は１点ずつ迫られる展開でしたが、ピッチャーがいいので安心して見られました」と笑顔で振り返ります。

　タイガースは２００５年以来の歓喜です。苦節１８年。ともに歩んだファンにとって、どんな期間だったか－。清水久師は「そう長くは感じませんでした」と言います。

　「上の子の子育てで忙しく、（前の優勝時は）調教師試験も大変で猛勉強していた頃でした。今でこそ軌道に乗った感がありますが、開業当初は忙しく、必死で調教師生活を送っていましたね。この１８年はアッという間でした」。

　２００９年に７度目の挑戦で調教師試験に合格すると、開業してからは競馬史に残る名馬・キタサンブラックでＧ１・７勝を挙げ、２０１９年にはメールドグラースで豪州のコーフィールドＣを制して海外Ｇ１初制覇。“アレ”と“アレ”の１８年間は、清水久師にとって何事にも代えがたい、濃密な期間でした。

　「ここ何年かですね。ゆっくり見に行けるようになったのは」。先生がそう話す通り、阪神甲子園球場には頻繁に足を運んでいるそう。「今年も何回か行きましたよ。ナイターの時は次の日がしんどいですが、それ以上のものがあります」と目尻を下げます。

　ちなみに、先生が考える勝因は？「ピッチャーですかね。安心して見ていられます。あとは首位打者やホームラン王はいないですが、みんなが平均かそれ以上。ちゃんとボールを見極められて、フォアボールの数も多いですよね」。おっしゃる通り、打線に３割打者もいなければ、チーム内最多本塁打は佐藤輝の２０本（リーグ６位）。それでも勝てているのがチーム力の高さ。本当に強い証拠でしょう。

　目指すは「日本一しかないです」と師。「見ていて負ける気しないですもんね。あとは大山が復調してくれれば」と、９月の月間打率１割台と苦しむ４番の復活に期待していました。

　そんな指揮官は日曜阪神１１Ｒ・ローズＳにコンクシェルを送り込みます。秋華賞に向けて大事な一戦。ここでも“アレ”となるか。注目です。