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【七夕賞】コスモフリーゲン 重賞初挑戦初制覇 柴田大は4年7カ月ぶり重賞V 人馬の“絆”で追い上げ振り切る

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 「七夕賞・G3」(13日、福島)

 サマー2000シリーズ第2戦のみちのく決戦を制したのは、2番人気のコスモフリーゲン。3勝クラスを勝ち上がったばかりの5歳馬が、鮮やかな逃げ切りで重賞初挑戦初制覇を成し遂げた。柴田大知騎手(48)=美浦・フリー=は20年ターコイズS(スマイルカナ)以来、4年7カ月ぶりの重賞勝ち。今後はサマーシリーズ制覇も視野に歩を進めていく。頭差の2着に1番人気のドゥラドーレス、3着には11番人気の伏兵オニャンコポンが続いた。

 人馬の“絆”が決め手となった。マイペースの逃げを打った柴田大&コスモフリーゲンのコンビが、ラスト100メートルで必死に粘り込みを図る。後続の蹄音が近づくなか、鞍上は「頑張れ!何とかしのげ!」とこん身のムチを振るった。全身を使い、右手を目いっぱい伸ばしたところがちょうどフィニッシュライン。最後は首の上げ下げ。積んでいたガソリンを使い切り、1番人気ドゥラドーレスの猛追を頭差でしのぎ切った。

 仕上げには自信があった。付きっきりで調教に騎乗し、この一戦に懸けてきた。柴田大が振り返る。「これ以上ないという仕上げ。これで負けたら仕方がない」。馬のヤル気もMAX。「早くから行きたがっていたので、なだめるのが大変でした。よくしのいでくれました」。自身は13年(マイネルラクリマ)以来の七夕賞V。「重賞でいい馬に乗るのも大変な時。皆さんに感謝ですね」と勝利の味をかみしめ、笑顔で額の汗を拭った。

 畠山師は23年スワンS(ウイングレイテスト)以来の重賞制覇。勝利にも「馬が頑張り過ぎちゃう。もっと前半をリラックスして走れるようにならないと。まだまだ課題も多いね」と厳しさを見せたが、裏を返せば今後の伸びしろは十分だ。

 体質の弱さから新馬戦には間に合わず、デビューは年明けの3歳未勝利戦。その後も爪の不安や外傷もあり、5歳ながら今回がまだ9戦目。手が掛かった分、喜びもひとしおだ。殊勲の鞍上にも「調教で教え込んで、少しずつコンタクトが取れてきた。暑いなか、一生懸命にやってくれている。ありがたいですね」と感謝を忘れなかった。

 今後については「これから暑い日が続くので、疲労度を見ながら。距離は延びても大丈夫。いろいろな選択肢を考えて」と馬の状態を最優先に進めていく。もちろん、この勝利で「点数も取れたので」とサマーシリーズ制覇も視野に入れる。フリーゲンとはドイツ語で「飛ぶ」。快進撃はまだ始まったばかり。夏の福島からさらなる飛躍を誓う。

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