2025.02.19

【フェブラリーＳ】サンライズジパング　芝＆ダートの二刀流で音無師へ届けるＧ１有終　定年前ラストチャンス「期待しているよ」

　「フェブラリーＳ・Ｇ１」（２３日、東京）

　３月４日の定年引退を前に、音無秀孝調教師（７０）＝栗東＝がフェブラリーＳに３頭出しで臨む。芝ダート二刀流のサンライズジパングに、前哨戦プロキオンＳを制して勢いに乗るサンデーファンデー。そして復活を期す２３年ＢＣクラシック２着のデルマソトガケ。強力ラインアップで名伯楽のラストＧ１をＶで飾る。

　定年引退を控える名伯楽が最後の大舞台に３本の矢を放つ。いずれも重賞のタイトルホルダーだが、なかでも注目はハイレベルの４歳世代の一角を担うサンライズジパングだ。音無師にとっては昨年、最後のダービーに連れて行ってくれた特別な馬でもあり、「期待しているよ」と力が入る。

　ダートに本格的にかじを切ったのは１２着に終わったダービー後。不来方賞で重賞初制覇を飾ると、みやこＳで重賞２勝目を挙げた。唯一の３歳馬として挑んだチャンピオンズＣは見せ場十分の６着。前走のプロキオンＳは僚馬サンデーファンデーから頭差２着も「枠順的にこっちの方が運がなかった。同着が良かった」とちゃめっ気たっぷりに笑う。

　音無厩舎３０年の集大成だ。ミッキーアイルやクリソライトなど、数々の活躍馬を手掛けた仕上げ人の平井助手は「ここで調教師に花を持たせてあげられたら。当然、この馬にはそれをできるポテンシャルがあると思います」と腕をまくる。

　芝スタートのワンターン。特殊なコース形態に同助手は「芝でも通用するスピードがないときつい」と分析する。その点、２歳時にホープフルＳ３着、３歳で若駒Ｓを勝っているのは強調材料だ。

　テンからスピードに乗せる調教を意識し、「坂路での行きっぷりが良くなってきました」と手応えを示す平井助手。「今回は１００に限りなく近い仕上がり。音無厩舎のうちに何とかＧ１馬にしたい」と気合十分。大一番に究極の仕上げで送り出し、トレーナーの花道を鮮やかに飾る。