ホプキンスの後輩を眺めて
【8月21日】
イーストン・ルーカスの母校へ行ったことがある。あれは08年だから18年も前のことだ。同年のシーズンオフ、米ロサンゼルス郊外で自主トレを行う金本知憲に同行取材した。
1週間ほど米国に滞在する中で、取材の合間を縫って知人が通う大学に招かれた日があった。ナビを見ながらレンタカーで1時間ほどかけて向かった先はペパーダイン大学。ロサンゼルス郊外マリブにある、見晴らし抜群のキャンパスだ。全米でも名門の私大だと聞いていたので、当時、知人とともに有名OBを調べてみると、球界で知った名前があって嬉しくなった。
その人は、G・ホプキンス。かつて広島カープ、南海ホークスで活躍した元メジャーリーガーである。日本でのプレーはわずか3年だったが、この選手が名を馳せたのは、引退後のキャリアが超異例だったから。
プロ野球選手から医師、医学博士への転身…。ドジャース時代に医大に合格し、その後、カープ在籍時も医学書を持ち歩き勉学に心血を注いでいた。
ペパーダイン大からプロ入りしたルーカスはそんな偉人と同窓生…確かに言われてみれば、マウンドの表情に聡明の感が滲み出ている?
思い出深いアニキ取材で想起したルーカスの母校だけど、実は苦い記憶も残っている。あのとき、大学から滞在先のトーランスまで高速道路が大渋滞…。取材陣との夕食会の待ち合わせ時間に間に合わず、脂汗をかいた。
「こっちの高速は『Bigg Parking Lot(巨大駐車場)』と呼ばれるくらいだから気を付けて」
知人の言葉を思い返しながら、全く進む気配のない道路で無数のテールランプを眺めるしかなかった。
そんな余談はさておき、「渋滞」といえば…
才木浩人の再調整でめぐった金曜に来日初勝利を挙げた助っ人が、残り1カ月ちょっとで3勝くらいしてくれれば…僕なんかは勝手にそんな見方をしている。この先のローテを測れば、きょう2戦目は今朝丸裕喜が投げるようだけど、彼らにとっては「連覇メンバー」に名を連ねるチャンス。秋に目立ってナンボだけど、他球団の視点を取材する限り、「投手王国」の阪神は先発の候補者もやはり潤沢に映るようで、第三者にとってそれはハイレベルな渋滞…。羨望の的なのだろう。
見通しの明るい渋滞はもちろん野手にもほしい。優勝争いのさなかに注視したいのは、シーズン前からの命題である。輝&森下のアベック30号がハイライトになる一方、この大事なゲームの殊勲打が前川右京のバットから生まれたことはしっかり覚えておきたい。
四回の決勝打はバットの先端で捉えたことが幸いした。あれが芯を食っていれば、さすがの大山悠輔も二塁からかえって来られなかったように思う。
僕はそこも右京の運と捉えているが、彼が残り試合で左翼問題、6番問題を解消できるか。投手も野手も候補者のハイレベルな渋滞を歓迎しながら、残り33試合を追ってみたい。=敬称略=
