「怖さ」のない遊撃手は誰か

 9回、入江の遊ゴロを捕球し三塁へ送球する熊谷(撮影・西田忠信)
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 【2月15日】

 侍ジャパンのシートノック、そのショートに源田壮亮と小園海斗が就いたそうだ。WBCに臨む宮崎合宿初日の便りが届いた。日本を代表する「名手の称号」はやはり源田がリードする。

 では、次代の侍ショートは誰か。

 その最右翼になるであろう若き名手を宜野座で見させてもらった。

 阪神対楽天の練習試合で宗山塁が素晴らしい守りを見せた。八回無死一塁で中川勇斗の三遊間への打球をスライディングでさばくと、身を起こさないまま二塁へ送球。これが正確無比で一塁走者の元山飛優を悠々封殺した。二塁ベースへ背を向けたままの、いわばノールック。しかも無理な体勢であの球を投げられる。楽天では日常かもしれないが、惚れ惚れした。

 宗山を獲得できればショートは10年安泰。明治大時代にそう騒がれた逸材がプロ2年目にどんな成長を見せるのか。一野球ファンとして楽しみだが、あらためて24年秋の「宗山ドラフト」を振り返れば、大学生の野手に5球団以上が競合したのは早大の岡田彰布以来45年ぶりのことだった。

 その岡田が宜野座でこの楽天戦を観戦していたわけだが、阪神球団のオーナー付顧問として気になるのは、宗山よりも自軍のショートのようだ。

 「三遊間すぐ逆シングル入るやろ。人工芝足いうて球足が速いからすぐ逆シングルに入る。ちっちゃい時から野球やってて、あの辺の打球はもう逆シングルで捕るという…そういう体が染み付いとるやんか。怖さはあるわな」

 岡田がそう語ったのは新助っ人C・ディベイニーについて。この日はスタメンで無難に打球をさばいたが、シートノックでほぼ正面のゴロも逆シングルでさばくシーンを見る。甲子園でショートを守るなら米流から和流に変えるべき。岡田はそう指摘するのだ。

 それはそうと、この日ネット裏でゲームを視察していた埼玉西武のプロ担当チーフスカウト嶋重宣にぶしつけに聞いてみた。2年前に西武さんも宗山を1位で指名したけれど、もし当てていればポジションはどうだったか。「あのときまだ自分は編成に入っていなかったから」と前置きした上で「最初はセカンドだったのでは…」。仮定の話だけど、想像すれば興味深い。源田-宗山の二遊間。見てみたかった気もする。

 翻ってあの秋、宗山を指名しなかった阪神には素晴らしい候補者がいる。 そのひとり、熊谷敬宥が六回からショートに就いて好守を見せた。九回1死二塁のプレーだ。正面で遊ゴロをさばいた彼は素早く体を半転させ、いわゆるタッチボールで三塁を狙った二塁走者を封じた。走塁の巧拙はときに紙一重。このシーンも送球が浮けばセーフだった。堅実な守りがなければ拙も巧に変わってしまう。そういう意味において熊谷の守りに「怖さ」はない。

 阪神のショートを今年一年誰が守るのか。朝の早出でノックを受けるなど勤勉なディベイニーだから変身を期待できる。が、球児のジャッジは言うまでもなく「力」。指揮官が最終指名する「守備の要」は…。答えはもう少し先になりそうだ。=敬称略=

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