文字サイズ

夏の甲子園は逸材発掘パラダイス?アメリカのスカウトって大変なんです

夏の甲子園で優勝投手となった藤浪。早く輝きを取り戻して!(2012年8月23日撮影)
1枚拡大

 いよいよ夏休み!子どもたちにとっては休息とともに、ようやく訪れた自由な時間だ。でも、高校球児にとっては人生でもっとも大切な舞台を迎える期間になっている。そう、阪神タイガースは「長期ロード」の8月だけど、その間、甲子園では高校球児たちが栄冠をつかもうと必死に戦う。そして今年は第100回の記念大会!日本全国が盛り上がっています。

 僕はよく外国人に聞かれる。「この大会って、いったい何なん?」。不思議なことに、野球の発祥地であるアメリカに、こういった大会はない。リトルリーグのワールドシリーズはあるけど、あれはアメリカだけのものでもないし、そこまで注目されてないんだ。一番近い感じの熱狂的な大会は、強いて言えば「マーチマッドネス」こと大学バスケのNCAA男子トーナメント。でもやっぱりモノがちゃうなぁ。

 「夏の甲子園」の魅力、神秘的な感じを向こうの人たちにはどう伝えたらいいか、僕にはさっぱりわからないんだ。どんなお祭りよりも人々を一丸にするし、単なるスポーツを超える存在だ。あれだけの情熱的な応援、校歌を熱唱する姿、負けた後に泣きながら土を黄金のように集める光景、試合開始と終了時に鳴るサイレンの音、そして球児たちのひたむきなプレーの数々…そんなの他にどこで見られる?

 そして何より、この大会には将来のスーパースターが大集結している。だから大会期間中は、スカウトにとってパラダイスと言えるんじゃないかな?2週間以上、甲子園に腰を据えてひたすら高校野球を見る。猛暑にさえ耐えることができれば、夢のような仕事にも思えてくる。

 日本も大変だろうけど、アメリカのスカウトは本当に過酷な仕事だ。あの広大な大地の隅から隅まで足を運んで金の卵を発掘しないといけないのだから。阪神タイガースの駐米スカウトはOBのジェフ・ウィリアムスとアンディ・シーツ。たった2人でアメリカ全土をカバーしている。

 僕は何人かのアメリカ人スカウトと話したことがある。ドン・ブレイザー元阪神監督の息子であるケント・ブレッシンゲームさん(福岡ソフトバンクホークスの駐米スカウト)と話した時も、よっぽど野球好きじゃないと無理な仕事だと痛感したんだ。アメリカには新幹線もないし、担当エリアも日本みたいな狭いブロックではなくて広い範囲。そして何より甲子園のような最高のスカウティング舞台がない。

 野球好きの日本人のみなさん、これからも「夏の甲子園」を大事にし続けてください。僕が言うのもおかしいけれど、国宝級の「世界一の野球大会」なんだから。

 ◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年初めて来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」(http://www.thehanshintigers.com)で阪神情報を配信中。

関連ニュース

    デイリーペディア

    編集者のオススメ記事

    トレバーの虎場最新ニュース

    もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス