【虎番が書く阪神連覇秘話】8月7発も9月大失速 坂本の打撃に何が起きていたのか 「言い訳になっちゃうけど」相手の攻め方に驚き

 デイリースポーツ虎番記者が、球団初のセ・リーグ連覇を果たした藤川阪神2年目の秘話をリレー形式で明かす。

  ◇  ◇

 個人的に8月以降、阪神・坂本の打撃を見るのが楽しかった。8月は自己最多の7本塁打を放ったが、9月は別人のように当たりが止まってしまう。不振と比例するように、チームも連敗し、「自分が打っていれば…」と悔しがる姿が印象的だった。あの時、坂本の打撃に何が起きていたのか。特にフォームを変えたわけではない。一つの要因として明かしたのは相手バッテリーの攻めだった。

 「これを言ったら言い訳になっちゃうけど…。9月に入って、攻め方が全く変わった。攻め方が変わると、ここまで変わるかというぐらい。そもそも、そんなに能力のないやつが後手に回されたらきつくなる」

 これがプロかと思わされた。好調の打者を相手が研究するのは当たり前だ。8月、佐藤輝や森下はもちろんのこと、坂本が猛虎打線のキーマンになっていた。“言い訳”と表現したが、ダメだと投げやりになったわけではない。打てない期間、もがき、苦しみながらも復調のきっかけを探っていた。

 9月20日のDeNA戦(甲子園)で37打席ぶりの月間初安打。その後は四球を選ぶ打席も増え、優勝決定日の10月3日には自身初の2桁本塁打にも到達した。「もう一回シンプルにして、フラットに戻さないと、という感覚でやっている」と話していたが、どこかでヒントを得たのだろう。

 今季の個人成績を振り返った時、勝手に悔しいのではないかと思い込んでいた。ただ、実際は負の感情はなし。「もうちょっとこうしたら良くなるんじゃないかとか。今のはやりすぎかなとか。自分への意識が高くなっているというのは感じている」。WBC、連覇、CS敗退の経験が27年につながる予感が漂う。

 うまくなるためにはどうすればいいのか。こんなことも言っていた。「いつも思うけど、いっぱい失敗することじゃない?」。今季は319打席に立ち、200以上は凡退した。捕手としても投手との共同作業で失点があった。この“失敗”を来季への糧にできるか。虎の主将なら、必ず強くなってグラウンドに帰ってくる。(デイリースポーツ・今西大翔)

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